結局、時流に乗り切れず、メロディック・ロックの希望の星だった彼らも、新作スタジオアルバムの発表と共に姿を消すこととなった。本作は、そんな彼らからの惜別の作品とも言える。
現時点で最後のとおもわれるステージをフル収録(同内容のCDも付属)、あとはバックステージ映像やスタッフが個人用カメラで収録した映像なども収められている。
付属映像は、ダレン・スミスの雄姿、メンバーの長髪も見えるなど懐かしさがあふれるが、映像・音声ともにクオリティが完璧でもないので、その点は差し引かねばならない。こうしたホームビデオ映像しか残っていないとしたら、彼らの不幸がそこに見える気もする。
最後のライブも、既に言われていることだが選曲にやや難があり、決定版選曲となっていない上に、心なしか演奏自体が淡白な気がする。(「ウェイト・オブ・ザ・ワールド」発表時のライヴDVDの方が数段魅力的)このあたりにも、彼らの不幸を垣間見るのは私だけだろうか。
最後のスタジオアルバムの完成を、ファンは本作を鑑賞しつつ待つことにしよう。
それにしても、彼らの解散は、残念でならない。。。
バンド解散の発表後、最後の作品として作られた12thアルバム。
アルバム全体の雰囲気を冷静に述べるならば、
「近年の作品の流れを引き継ぎつつ、ところどころに見られていたポップ色がなくなり、
一方で少々ヘヴィな一面が見られる作品」
とでも言えるでしょうか。
特筆したいのは各曲のメロディの良さです。
とにかく1曲目から最後の曲まで、フックと哀愁の利いた魅力的なサビを持つ曲が
次から次と押し寄せ、最後まで息をつかせません。一気に最後まで聴いてしまいました。
ただ聴く方によっては一部の曲のリフなどに見受けられる
ヘヴィ・ダークな部分が気になる方もおられるかもしれません。
個人的には似た手法で作られた3rd「Voice of Reason」も愛聴したクチですし、
ポップさもヘヴィなアレンジもこのバンドの持つ根本的な魅力である「魅力的なメロディ」
に振りかけられたスパイスだと思っていますので、私としては気になりませんでした。
むしろ少々ヘヴィな曲調からサビのエネルギーに満ちたメロディに移っていく様は、
少々大げさですが芸術的とも思えます。
アルバムの最後はT.10の感動的なバラードで締めくくられ、
ボーナストラックのT.11で映画のエンディングコールを見るように静かに幕を閉じます。
確かに細かいことを言えば、もう少し練ったリフが欲しい曲があったり
オープニングトラックが少し弱いかなと思ったりもします。
しかしそれを差し引いても、これほどの魅力的なメロディを持つ曲を
最後の作品に詰め込んでくれたことを評価したいと思います。
そして20年余りに渡ってコンスタントに良質の作品を発表してくれたバンド、
中心であるHarryとPeteに一言「お疲れ様」と言いたいです。
願わくばバンドが心変わりして、最後のアルバムというのを撤回してくれれば...(笑)
40前のおじさんです。最近、会社の友人とバンドをはじめたのですが、昔聞いた、ハーレムスキャーレムのバンドスコアを見つけて、即買いしました。セカンドアルバムを始めて聞いたとき、痺れましたが、スコアにしっかり入っており、購入して大満足です。ただ、スコアに収められている曲が何なのか、絶版になっていると事前に追跡が難しいので、売側ではそのような情報を載せてもらえるといいな・・・と思いました。
カナダのメロディアス・ハードロックの雄 ハーレムスキャーレムのビデオクリップ集です。 「スローリースリッピングアウェイ」~「ソウ・ブラインド」までヒット曲を網羅し、バンドの成長(良くいえば?)が見て取れます。 必見は94年トロントでのオリジナルメンバーでのLIVE映像です。 すでにバンドを去ったダレン・スミスの勇姿には、涙なしに見れません。 ファンには必需アイテムです。
ハーレム・スキャーレムは曲・歌唱力・演奏力が三拍子そろって高水準なのは周知の通りですが、この1stアルバムから既にとんでもない完成度を示しています。サウンドはハード過ぎず、ポップ過ぎず、知的でいて暖か味があり、そして収録されている曲の全てが覚えやすく、一緒に口ずさみたくなるようなメロディばかり。このバンドの大きな特徴となっている厚みのある美しいコーラスも、アルバム全曲で聴くことができます。 この後、音楽性の変遷、メンバーチェンジ、そしてバンド名の変更といった、長く曲がりくねった道を歩むことになるハーレム・スキャーレム。しかし、彼らの原点となったこの1stアルバムは、永遠にその輝きを失わないでしょう。 日本盤ボーナス・トラックは、アルバムのオリジナル曲のうち3曲のアコースティック・バージョン。メロディを大切にして作られた曲は、どんなアレンジで演奏されてもそのメロディは活きるものですが、シンプルなアコースティック演奏では、メロディそのものの素晴らしさをとりわけ感じとれるように思います。
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