人間は何故、タンパク質を摂取し続けなければ
ならないのか?
食物を消化するとは、どんな意味をもった行為
なのか?
これらの問いへのアプローチがスリリング!!
そして、生物とはタンパク質の循環・流れの
中にある「淀み」である、という考え方が
紹介されています。
本書で書かれていることが、「本当」であるか
否かは判断できないのですが、
考え方、物の見方としては、
かなり衝撃的で、世界観がひっくり返される
といっても過言ではありません。
日本でも狂牛病(BSE)が見つかり、遠い「海外」の出来事ではなくなった。この本は新型ヤコブ病の蔓延を予言した戦慄のノンフィクションと言えるだろう。先日、日本で狂牛病が発見された際の、国と県の発表は、何回も訂正を繰り返し、二転三転した。対応策は煮え切ったものになっておらず、潜在的な狂牛病に汚染された牛肉が、出回っている可能性は全くないとは言えない状況にある。今後は、これからは正しい知識を持つことが自分を守ることになるだろう。
ブリオン蛋白質によって発症する遺伝病FFI。BSEが牛の共食い飼料に原因があるとされ、
それでは有史、人が人を食うという事実では何が起こっていたのか?そしてBSE牛の遺伝は?
ということが主軸で中世まで遡り、異常蛋白と人間の食文化、儀式を再検証する
が、FFIの最大特徴である「不眠」についての描写が僕には何より恐ろしかった
人間は人生の三分の一は寝ている。ある年齢を超えると、心地良く眠ることは
闊達に起きている歓びと等価になる。眠れない、眠らせないというのはしばしば
拷問の一つとして使われてきた方法であるほど眠りは人間の心身に影響する
眠っている間、眠りが素晴らしいとは感じない(それは日々空気を吸っている
ことが素晴らしいと感じないのと同じだ)。しかし、都会から清涼なる土地に
移動して胸いっぱいに呼吸をすることで心身が回復するのを感じるように、
生を自覚するからこそ、生を無自覚化する(無意識化ではないにせよ)眠りは
生物の機能なのだ。それを先天的に失うことが分かっている人生とは、何と
恐ろしいことだろう
鬱病の重要な治療法に「ただ、寝る」ということがある
僕も年に1,2度の軽度の鬱を感じると2日ばかり、ただ寝る
すると何となく回復する
生物は同種の生物を食べない。その禁を犯したBSEは、しかし、史上、人類にも
人類が起こしてきたことにも数多くあり、その報いが「不眠」とは!
夜中、ゆっくりと本書を解きながら、心地良く眠れるというのは何とも皮肉な
喜びである
「すべては自分に責任がある」
いろいろなところでこの言葉を聴きました。「知ってるよ」と言いたいところですがこの言葉の意味を思い知らされる内容です。
本の中に課題がたくさんあり、それを考えて書き出すのですが、反吐が出そうなほど自分のマイナス面、逃げている面と向き合いました。人生うまくいっていない時ほど厳しさをつきつけられる本だと思います。
しかし、いろいろなケースの紹介があり、進んでいくための勇気をもらえます。
自己啓発本の中では、かなり実用的です。「なるほど、考え方はわかった。それで?」で終わりではなく、次に進めます。
事件としての狂牛病の基礎知識を得るにはよい本。しかし科学的な基礎知識は他の本を併読する必要がある。「狂牛病」という大きなタイトルを付けたのなら、共著にしてでも科学的な部分を充実させてほしかった
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