みずいろの雨で一気に八神の音楽の世界に惹かれました パープルタウンは何回も聞くほど好きです シングル以外の曲も収録されていてお得感抜群です
40巻完結で中途半端な終わり方のように思っていましたが、ちゃんと途中まで前作の続きがあります。
言わずと知れたフェリーニの名作です。しかし一貫したプロットはなく、あたかもダンテの『神曲』の如く、バニティにあふれた地上の狂騒・刹那的日常をマルチェロが地獄巡りし、我々は174分間それにつきあっていくのです。本編ではA.エグバーグのトレビの泉のシーンが有名ですが、それ以外にも名場面やインパクトあるカットが満載で、あたかもそれらがマニエリスム絵画のようにちりばめられています。珠玉の一品です。 フェリーニは新聞などで仕入れたゴシップをコラージュしてこの作品を作り上げたそうですが、実に周到に「信ずべき価値」がもはやついえようとしていることを表現しています。キリスト像は空輸され聖母は現れず、ローマの遺跡や中世の城は遊興の場となり、そして父親は心不全になってとっとと故郷に帰り恋人は嫉妬に狂い心の重荷になっているのです。信仰、文化・歴史、家族・愛情、皆浜辺に打ち上げられた白く巨大なエイの如く無惨なしかばねをさらしています。その中の究極のエピソードがスタイナーの自殺です。彼こそはマルチェロが最後に心の拠り所としていた、精神の高みを求める生活の象徴だったのですが、それさえも酷い幕切れを迎えてしまったのです。その結果、彼は半ば自己放棄的に「甘い生活」へと邁進していくのです。その苦い味わいといったら。 「流石に古いかな」なんて考えながら、何か思う所があって2004年の大晦日に再見したのですが、驚くことにこの映画は全く古びていなかったどころか、今こそその本来含んでいた真価が露わになっているのです。モノクロで撮られた限りなく美しい映像もさることながら、極めて哲学的で、人生に積極的な価値を認められないことが恒常的となった我々に強いメッセージを送っています。我々は皆、ラストの少女の側に行けないまま、日常に忙殺されている「甘い生活者」なのかも知れません。凄い映画です。今一度再評価を。
代表作として名高い「8 1/2」以来、フェデリコ・フェリーニの分身(スナポラツ)を演じて来た盟友マストロヤンニとの第3作目となる本作は、それまでの「カサノバ」までに観られる映画的パワーと比較すると、その衰えを指摘する向きが多い。
これは、長年の名コンビであったニーノ・ロータが亡くなった事とも深く関連してるのかも知れないが、個人的にはフェリーニ初体験となった本作は絶頂期には撮れない円熟さを感じさせ、どこか枯れた感じがかえって心地よく一番の愛着を持っている。
故淀川長治氏が当時、年間ベスト1に挙げていたのも、印象に残っている。
映画館の暗闇で楽しむ事がこれほど相応しい映画もそうはないと思うし、撮影や美術を堪能するにはスクリーンが最適なのは言うまでもない。
これまで、VHS、DVDと発売される毎に目ざとく買いあさっていた私であるが、画質や色調に満足できず、過去の数回に渡る映画館での体験で補足しながら鑑賞していたが、今回の国内初ブルーレイ化(フランスでは最近「カサノバ」と共に発売済みだが、リージョン違い)で、大いに期待が高まる一方である。
これを機に、メジャータイトルばかりでなく、美術品としても価値あるフェリーニ作品のブルーレイ化を切望してやまない。さあ、部屋を真っ暗にして奇想天外な一日をスナポラツと共に体験しよう。
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