金環日食の日に読み終えましたが、 何度も挫折しながらも前に進んでいく主人公に共感。 読んでてこんなにワクワクした本は久しぶりです。
原作は未読だが、こちらの方から読み始めてしまったので ストーリーがある程度先に進むまで、小説の方は手に取れない。
「こんなお侍、ありえないだろう」というキャラクター設定ながら ある程度の時代設定はきちんと押さえているため 江戸時代の理系人たちのイノセンスさが良く出ている、と思う。
原作者のみならず、マンガ家の方もきっちりと 時代背景や和算の内容も押さえられており 今後のタッグも楽しみの作品である。
複雑で錯綜した全ての物語、現れた人物、成した行為
その全てが反転して飲み込まれる。
まるでウフコックが道具を吐き出し、約束された最後の姿体現するかのように
信頼と絆、裏切りと拒絶
全てが喰らい合い零となる最終巻
しかし残った物はある、スカスカになった頭にわずかな快感が残った。
まず私自身、原作未読ですのでその点をご了承ください。
さて全3部作の序章となる本作ですが、長い原作を上手くまとめていると思います。
世界観の説明やキャラクターたちの紹介など「序章」としての役割も十分果たしています。
原作者の沖方丁氏が脚本を手がけていることが大きいのでしょうか。
ただ、やはり駆け足な感は否めませんでした。
これは尺の関係もあるので仕方ないのですが、登場人物の心情をもっと深く掘り下げてほしかったかなと感じます。
また絵柄もかなり凝った作りになっていますがもう少しシンプルでも良かったのではないかと・・・(この辺は個人差ですが)
カッコイイのですが、ちょっと見にくい気がしました。
とはいえ、まだ1章ですし期待できる要素も大いにありました。
今後の展開で評価も変わるのでしょうが、現時点では良作と言っていいと思います。
完全版第1巻。
スタートから、隠れ家での畜産業者(バンダースナッチ・カンパニー)、ボイルドとの最初のバトルまで。
2003年の最初の版。改訂新版。そしてこの完全版。これまで3度読んでいる。最初の時は、その圧倒的な存在感にただ凄いという感想しかなく、2度目には懐かしさと同時に、最初の時よりももう少し深い所まで覗き込めたような気がした。そして、今回の3度目、やはり、その凄さを感じた。当然それぞれの番で大幅な修正がなされているとはいえ、ストーリー自体は当初のものと変わっているわけではない。したがって、初めて読んだ時と同じ種類の衝撃を受けることはもうない。しかし、それでいてなお、読んでいて引き込まれてしまう。また、ある程度流れがわかっていることで、これまであまり見えていなかった部分が見えてきたのか、それとも文章が直されたため気付けたのか、バロットの変化の様子が非常によく見えた気がした。それは色々な人物との会話であり、或いは対決であり、そこから何かを得、変化もしくは成長していく過程が、その様子が強く感じられた。
まだこの作品を知らない人、読んだことがない人が羨ましい。願わくは、この作品に関する記憶を消去して、もう一度体験したい。
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