古代守のことを心配しつつもヤマト発進を逡巡する古代を決意に導く森雪のシーンや真田のアクティブな活躍シーン(コスモタイガー搭乗)などカットされたシーンが再現されてます。「新たなる」ではDVDの特典映像等でも静止画像で一部鑑賞できるだけの場面ですし、そういう意味では貴重かも。 2005年に再販されたこのバージョンでは巻末の解説が出渕裕さん。ヤマトIIIの設定やメカニックデザインの裏話が披露されていて興味深いです。
当時は映画に行く前に本を読んでいくという時代。またアニメーションがそれほど多くなかったので、エスタブリッシュメントな感じでした。銀座の本屋でソフトカバーの本を購入してもらい、夢中になって読みました。そしてほとんど同じ内容であるのに、少し表現が違う形で本書を読みました。当たり前ですが、映画には出てこないシーンや描写等があり、映画にないのが???、と思いましたが、子供のころには何回も読みこんで、大人はどのようなことを考えて行動しているのか、ということを想像していました。いまはそんな感覚で読書はしないですが、すべては映画の呼び知識、再確認のためのものでしたので、いつしか知識を得るためだけの読書が多くなったようです。本書を残していればかなり、価値になったのでしょうね。
ひお版ヤマト(第一作)の後半は、キャプテンハーロックの登場、ガミラスエージェント・イローゼ、小マゼラン星雲からの迎撃艦隊とプロットも豊富で、とことん楽しませてくれる。
実際に放映されたTVシリーズ「宇宙戦艦ヤマト」との違いを探しながら読むのも楽しいし、逆に「ここは変えなかった」という共通点を読み取るのも楽しい。SF冒険漫画の傑作である。
映画の忠実な劇画化版。
現在市販されているDVD等は70'o完全版だが、このコミック版はそれ以前のバージョンのシナリオを元に描かれているため、35ミリ版のセリフ、35ミリ・70ミリ両方からもカットされてしまったシーンがそのまま残っている点、資料として興味深い。映画公開時に出された小説版と違って著者の創作部分が全く無い点が却って資料性を高めている。職人に徹したひおさんの功績だ。
さらに、本書は、ひおさんの後書きがある。作品や時代への愛を感じるコメントで素晴らしい。
絵が綺麗でごちゃごちゃしていないのでとても見やすいくヤマトも細かいところまで描かれています。また、映画では登場しなかった話も所々に加えられているので新鮮な気分で読めました。古代が放つ最後の波動砲もよく再現されています。ただ、映画の最初から最後までを決められたページ数、見せ場のためのコマ割り等でいろいろ制約され話がものすごい速さで展開して行き、映画を観ていない人にはさっぱり意味が解らないと思います。
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