読んでいる間は昭和大全みたいな話だと思っていましたが、エンディングにはやられました。最後で腑に落ちるタイトルの美しさ。
数か所の書店で探しても無かったのでこちらで購入しました。中古とは思えない程綺麗で、ブックカバーもしてくださり到着も早くお安く購入できたので感激です。近くに大きな書店が無く欲しい本がなかなか手に入らないので、また機会があれば購入したいです。
小学生の子供たちを主人公にした小編からなりたつ短編集。子供の視点からみた大人や子供同士の社会など、すっかり忘れ去ってしまった「子供感覚」を久しぶりに思い起こしました。といっても現在45歳の有吉さんが書いているので、子供の視点にはおよそ子供らしくないような、成熟した大人の視点も入り混じっています。
会社への通勤の往復1時間半で読み終えることができ、肩のこらない短編集でした。
見に行くもの、とのポリシーを抱き半ば「追っかけ」的なフェルメール・ツアーを決行してしまうバイタリティーにまずは脱帽。みなさまがご指摘のように軽いエッセイであり深みがないし、それほどまでして作者が見に行ったフェルメールの絵が見えないぐらい小さな白黒での掲載しかしていないので興味がない人にはまったく伝わらないのも事実だが、とにかく行動を起こすことは重要だろう。なぜか日本人は海外旅行に行ったときと有名絵画が上野に来たときだけ美術館を訪れる気がするが、「ハコモノ行政」と批判されるものの自分の住む街には必ずこじんまりとして閑散とした美術館があるので、まずはそこに行って絵を見ることが第一歩であることを思い出させてくれる力の詰まった良書。そして、最後には「合奏」が出てくることを自然に祈っている自分がいた。
無機質で他人との関わりを持たず、なにも所有しようとしないキャベツとキウイが読み進めていくうちに次第に生き生きとしてくる。 自分の欲するものを見極めたときの彼らの行動がもどかしくもあり、共感出来ます。 流されるようにただ日常を過ごしている自分がいるならおススメ。 ラストの衝撃にもガツンと来ますが、そのどんでん返しよりも最後のキャベツの行動に感激しました。
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