面白い。 孤島の研究所という研究者にとってのユートピアで起こる殺人事件。 夢やヴァーチャル・リアリティといったものが現実と見分けがつかなくなる境界の世界をうまく描ききっています。 理系人間たちの書き分け方も見事。 でもそれ以上にすごいと思うのは、これほどの小説を片手間に書いてみせる作者自身です。 いったいどんな人なのやら・・・。
ミステリ作家、森博嗣のデビュー作を漫画化した作品。 原作の理系テイストな論理をちりばめたり、バーチャルリアリティの世界を見事にイラストで表現されていて、「あの場面はこうだったのか」と頷きつつ読むのも楽しい。各人物を魅力的なイメージそのままに、作者の持つ個性的な絵柄とセンスが冴える。ダイナミックな構図で展開されるストーリーは、ちゃんと原作に忠実に描かれていると思われるので、人物の心理描写など、大胆さのなかに潜む繊細さみたいなものが、発見できるとよりこの漫画をより楽しむ事が出来ると思います。 ラスト付近では、いないはずの喜多先生もこっそり登場します…?
珈琲のすべてがわかる事典
ただのコーヒー好きなら、納得の入門書。
まぁまぁコーヒーにはうるさい人には、目からうろこの内容ウンチク本。
プロの珈琲関係者には、ここ最近の業界を知る情報誌。
この一冊を読めば、だれでもコーヒーを語れるようになる気がする一冊です。
森博嗣の同名小説の漫画化作品第1弾。
森ミステリのビジュアル化作品と言えば、
ゲーム版の『すべてはFになる』、皇なつき氏の『黒猫の三角』など
数々の『ハズレ』があったが、これはまぎれもない『当たり』である。
当作品の絵を初めて見た時には、主線のあまりの野太さ、白い紙面、
微妙に狂ったパース、恐ろしく長く太い睫毛、まるでマネキン人形を模写したかのような女性の顔などに
違和感を覚え、正直あまり期待できないと思ったが、それは杞憂に過ぎなかった。
この作家は非常に『魅せ方』についての発想とセンス、全体の構成力に優れており、
原作のエッセンスを十二分に抽出し、かつ独自色まで加えた素晴らしい作品となっている。
原作ファンの方には、強くお勧めできる一本である。
ちなみに主人公の犀川助教授だが、長身骨太な体格の上、
まるでパンクロッカーのような外見かつ常に不機嫌な表情に描かれ、
原作とはギャップがあるもののその圧倒的な存在感は原作の比ではなく、
これだけでも漫画化されて良かったとさえ思われる。
(かわりに萌絵のキャラが薄くなっているが…)
本書に関するレビューは多々あり、私も星4位には楽しめたという感想を抱いたのですが。まさか、読み終えた後で評価が変わるとは自分でも想像できませんでした。本書を読んだ上で、是非、同著者作の四季を読んでみてください。各作品間の世界観はもちろんのこと、本書においてさほど重要な意味に思えなかった文が四季では見事な伏線になっています。著者の構成力の素晴らしさに圧巻させられます。ですので、星5に修正です。
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