伝奇SFというジャンルを確立した半村良の最高傑作。
「産霊山秘録」の方がべストだという説も有り得るが、
江戸時代を舞台にした時代SFと思わせて、
ラストは宇宙に飛び出してしまったこちらの方がカタルシスが凄かった。
宇宙には生命のある星はほとんどない。
なのに、何故、地球には生命が満ち溢れ、
悲惨な弱肉強食の世界が展開されているのか?
江戸時代に生きていた超能力者の宇宙人は、
地球を妖星だと認識する。
妖星地球の謎に迫る伝奇SFである。
将棋SFであるというのも斬新である。
物語途中で詰め将棋が出題され、
地球上での最後の戦いは、その解答通りに、
キャラクター達が戦って死んでいくのである。
地球が妖星になった理由がまさにセンスオブワンダーに満ちたSFであった。
新宿裏通りのバー「ルヰ」のバーテンダーが見つめるさまざまな男と女の人間模様。作者のいとおしい眼差し、目配りをしみじみと感じることが出来る。どこか哀しい、けれど暖かい短編集。
この映画はストーリー云々というよりも、音楽(エフェクト的な物を含む)がとってもいい。ジョン・ゾーンという人が音楽を担当しているが、この映画の方向性というか、ムードというか、そういったものを決定付けてしまうほどの力を持っている。音楽を楽しむだけでも一見の価値ありだと思う。
最初は正義の味方として賞賛された主人公の立場がだんだんとずれてしまい、世間から見た正邪が逆転するような皮肉な仕掛けを持つ話だ。この伝説シリーズでは全体的に条件が変われば立場が反転してしまうことがうまく使われている。
モチーフである「神」と「悪魔」の誕生については、著者の宇宙観や思想が深く反映されていて、面白い。なかなか斬新な発想である。永井豪「デビルマン」とならぶ、非西欧、非キリスト文化における「神と悪魔」テーマの傑作だと思う。
幼い頃TVで見た時は、興奮していた記憶があります。最近、見直してみましたが、良くも悪くも70年代の映画だなあという印象です。役者は豪華ですし、演技も悪くありません。特に女性、岡田奈々、小野みゆきがいいです。武田軍との合戦もそれなりに楽しめます。しかし、途中の何度かBGMが入るシーンが冗長に思います。調べてみると、TV放映ではカットされていたようです。少し退屈に感じます。この作品は、現代人に対するメッセージを投げかけている訳ですが、その事自体は、現在(2006年)においても通用すると思います。戦国時代で生きる決心をした、かまやつひろしが印象的です。
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