知っている作家も、知らない作家も入った短編集だが、まず、装丁の美しさに読む前から期待感が高まった。 アンソロジーの場合、いつもどの小説から読もうか迷うが、まずは最初の岩井志麻子さんから読み始めると、彼女の初期の作品を彷彿とさせる美と恐怖が入り混じったすごい作品だった。 つぎの恩田陸さんは稲垣足穂のオマージュのような作品で、いつもと一味違った魅力。そのほかのものも、読み応え十分の何度も読み返したくなる小説集だった。まずは一読をお勧めします。
藤先生が、久々に中華風活劇を書いてくれた。
物語はその題名通り、秘宝『皇帝秘文』にまつわる人間模様。 主人公の秋兄こと無敵の男装の麗人やら、盗賊の女頭領やらの威勢の良い女子を含め、オカマの怪力僧侶だとかヤクザのお坊ちゃんだとか、彼女の初期のシリーズ『開封死闘演舞』のような個性あるキャラ達が、気持ち良いほど剣を振り回し奔走してくれる。 特にこの主人公のカッコよさは、ツボだった。
『開封死闘演舞』といえば、この小説の脇役が『開封〜』の主人公同じ名前の芙蓉棚という女劇団(宝塚?)の女優だったり、ファンをニヤリとさせる演出も憎い。
是非続巻が出て欲しいものである。
この主人公のカッコよさは、女性読者にはたまらないのでは?
男装の麗人、女剣士、中国活劇 のキーワードに萌える方にお勧めの一冊。
メイン若桜木虔の著書は、宇宙戦艦ヤマトのノヴェライズしか読んでいない。
言動に関する批判はネット上で目にしているが、それに目をつぶるとして、家系自慢が目に余る。
「祖父が『千葉の小天狗』こと千葉栄次郎の孫弟子で」
「北条早雲から私の十八代前の先祖に宛てて送られた古文書もあるはずなんですが」
等々……。
本当にせよ、ご先祖の栄光は、当代で帳消しにされた感がなくもない。
役立つ発言もいくつかあるので☆三つ。
正直同性に対して恋愛感情を持ったことがないので解からないが、異性の親友同士の感情と言えば近いか?性愛に至る前に自分の理性でブレーキをかける点で。 恋愛感情と云うから話しが可笑しな方向へ行ってしまうが、相手に対するどうしようもない独占欲、何よりも愛しい存在としての誰か、といったモノを描くことが目的ならば、本書は星4つ。 歴史読本としては星1つ。
読み進めるほどに、主人公「王昭君」の生きた世界へとどんどん引き込まれていきます。 今まで断片的に知っていた「王昭君」という女性を少し違った角度から見ることができました。そして、その「王昭君」をとりまく人々の心の描写も巧で登場人物に深みを感じます。 女性の生き方が問い直されている現代に生きる私たちだからこそ、彼女の生き方を読んで考えさせられる、そんな小説です。 歴史小説に興味がある人はもちろんですが、たくさんの人に生き方について問いかけている小説ではないでしょうか?
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