リヒテル様・死の直前のインタビュー!
今までの沈黙を破り、よく話す気になったものです。
20世紀の貴重映像をまじえ、 本人の口から、 衝撃の生い立ちや交流のあった音楽家の話が聞けます。
リスト役で出演した映画の話は面白かったし 、奥様とのなれそめも面白かった。
しかしインタビューが終わりに近づくにつれ、
世紀の大巨匠のイメージから離れ、1人の淋しい老人の姿になっていきます。
ご本人が「もう引退だよ」とつぶやき
「自分が気に入らない、フショー(終わり)」 が最後の言葉です。
涙なくしては見られませんでした。
エニグマ、一生大切にします!
映像も構成も素晴らしい!彼の演奏も効果的に配置されています。
リヒテル、61歳(1976年)、モスクワ音楽院大ホールでの演奏録画。しっかりとした姿勢で、打鍵、鋭利に、曲のなかに、聴く者を導く。映像のなかで、コメンテーターが言っているように、正に、作曲家と聴衆との間にある壁を取り払う演奏だ。事実、いずれの曲も、親しみ深く感じられ、これがラベルだったのか、あるいは、エッ、今聴いている曲がベートーヴェンなのか、という思いを持たせられる。さすが、20世紀に君臨した大ピアニストであることを実感する映像である。ただ、ノイズがあるのが、難点であるが、希少な映像であるだけに、その点は、やむを得ないこととしよう。しかし、PCMステレオで聴くよりも、ドルビーディジタル・サラウンドで聴いた方が、ノイズが気にならない。念のために。
リヒテルの演奏を最初に聞いたのは、ブルガリアのソフィアで行われた「展覧会の絵」コンサートのアルバムだった。
そのとき以来、私にとって、リヒテルは常にピアノにおけるあらゆる演奏の基準となり、常に最上位にランクされるピアニストである。
メジャー・レーベルでないためライブ録音の音質がどうだろうかと心配していたが、実際に聞いてみると杞憂だった。
リヒテルのこの曲の録音はだいたい同じ時期に三種あります。
中で、もっとも世評が高いのはアンチェル/チェコフィル盤。アンチェルがバックに徹するタイプだからか、「雷鳴のピアニスト」の名にふさわしく破壊的といえるほどのフォルテと鋼鉄のタッチが、貧しい録音を通してでも轟然と響いてきます。
ムラヴィンスキー/レンフィル盤は、指揮者もピアノも燃えに燃え、整然としてではありますが、猛烈な突進を聞かせてくれます。この演奏は、こめられた力と技量ではあのホロビッツとトスカニーニの伝説的な演奏に匹敵し、端正さでは大きく上回るとすら評すことができるかもしれません。ただし、これはリヒテルよりはムラヴィンスキーを聴くべき盤なのかもしれませんが。個人的にはこれが最も好みです。
これらと比べると、この盤には特別の印象はありません。もとよりこれも屈指の名盤であることには間違いありません。しかしそれでもなお、ここにいるのはたくさんの名手のうちの一人であって、あのリヒテルとは言えません。つまり壁の向こうからいきなり現われて「展覧会の絵」や「熱情」で世界を驚かした全盛期のリヒテルが演奏したにしては、抑制が効きすぎていて物足りないのです。この程度の演奏なら別にリヒテルでなくてももできるんじゃないでしょうか。自伝によるとリヒテルは指揮者に合わせようと努力するそうで、ここではカラヤンを立てているんでしょう。カラヤンは50年代中盤(グールドとの録音に聞かれるようにトスカニーニばりの攻撃性を発揮していた)と異なり、よりコントロールが効き歌に満ちたスタイルに変化しつつあったのですね。(なお、リヒテルはカラヤンのことを、カッコばっかり気にしているやつとあまりいい印象を持っていなかったようで、これも影響があったかもしれません。)
弾いているのが全盛期のリヒテルですから、「何か特別のもの」を期待してしまうんですけどね。
何度も見てしまう数少ないDVDの一枚です。 これはクラシックが好きとかあまり関係なく、ひとつの作品として素晴らしいと評価できます。 自らの人生を淡々と語るリヒテル そして素晴らしい演奏の数々 きっと見る人を魅了すること間違いないです 私はこれを見てからますますリヒテルが好きになりました
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