日本声楽界の草分け的な存在である柳兼子さんの歴史的一品!! ぜひ一度聴いてみる価値はあります。 貴重な録音です。古きよき日本の懐かしさが伺えます。
作者の小林真人氏は、星野さんのファンでもあるそうで、 また、彼自身自然への造形の深い作品を数多く作曲しています。初めて聞いた時には、涙が止まらなかったです。心を豊かにする一枚です。星野さんの世界を、さらに深く心に刻む事間違いなしです。
このCDは一般のCDプレーヤーでは聴けません。ご注意ください。ただ、演奏は素晴らしいので★4つです。
私が音楽大学へ通っていた1960年頃の大学図書館には、モイーズ、キンケードなど外国の演奏者のLPしかありませんでした。 日本人演奏家の録音では、吉田雅夫が最初で、それがEP版の「ハンガリー田園幻想曲」だったと記憶しています。 大変情緒的で美しく、確実なテクニックに魂を揺さぶられるような感動を受けた事を覚えております。 フルートを学ぶものとして、世界の一流の演奏家に後しない、優れた演奏家が日本人がいる事を、誇りに思いました。
中山悌一の歌は、リアルタイムでは聴いたことがなく、初めて録音で聞いたのは、「18人の名歌手が歌うシューベルトの魔王」という欧米のさまざまな歌手(女声含めて)のアンソロCDでした。そのなかで、日本語で歌われている中山氏の「魔王」を聞き、震撼しました。声もドイツ人歌手に遜色のない深いものですが、日本語が立っていて、初めてリートというものの真髄にふれた気がしました。
そしてこのCDセットに。三大歌曲集もゆったりしたテンポで、ある意味、オーソドックスに歌われています(こちらはドイツ語)が、やはり独特の情感があり、最近のドラマティックだったり、ささやくように歌い流したりするようなあちらの有名歌手のもの(ローマン・トレーケルとか、ヨナス・カウフマンとか)より、飽きない味わいを感じました。
しかし何よりもやはりすばらしいのは「荒城の月」や「二人の敵弾兵」などの日本語歌唱。言葉と音楽が一体になって、胸の奥に入ってきます。「マンドリンのセレナーデ」も全く違ったジョヴァンニ像をきかせてくれました。
(日本歌曲は習っていてもいまひとつぴんと来なかったのですが、それは、今まで聞いたCDが、日本語をローマ字として楽器のように歌っているからだったのだと思いました。)
高雅で誇り高い日本語に、楽器ではない「歌曲」の力を感じたい人はぜひ。
|