私もクラシックギターを愛奏するのですが、数十年前にギターでこういうことが出来るのかと衝撃を受けた1枚です。当時はレコードを購入し、自分でも演奏してみたいと楽譜まで購入しトライしましたがまったく歯が立ちません。その後、生演奏を聞く機会がありレコードと同じレベルの衝撃的な演奏が目の前で繰り広げられたことに鳥肌が立ちました。後にCDも購入しましたが、今でもその演奏と感動は脳裏に焼きついています。 是非もう一度生演奏を聞いてみたいものです!
私自身は、ショスタコーヴィチの交響曲全般に関しては、あまりにロシア臭が強いものは好みではない。ムラヴィンスキーのライブはそのタイトさと凄味が別格といっていいものが少なくないかも知れないが、サンデルリンク/べルリン交響楽団の演奏あたりが、細部への緻密な気配りとスケール感が両立した、曲の真髄を捉えたものではないか思うことが多い。
そうした中、カラヤンが唯一ショスタコーヴィチで録音しているこの第10番は、注目していいい名演であることは確かであろう。他の方も言われるように、録音なら1980年盤であろうが、この旧版のタイトで迫力ある演奏はなかなかの聴きものである。もっとも、ベルリン・フィルの音の響きの質と、カラヤン的美学の範疇にすっぽり入っていると感じてしまうところはある気がする。ちょっとだけ「白粉(おしろい)」がかかっているような。
併録のストラヴィンスキーの交響曲をこれだけ面白く聴けた演奏ははじめてだが、どういうわけか、ショスタコーヴィチとストラヴィンスキーが全く同じ延長にある音楽のように聴こえてしまう。そういう意味では、やはり「カラヤン節(良い意味でも含めて)」で塗り固められているとは言えるのかも知れない。
「春の祭典」はレコードアカデミー賞を受賞した名盤です。
「春祭」は全盛期のクリーブランド管弦楽団をブーレーズが精密かつ論理的に指揮した「磨いた演奏」です。 美しく強靭かつリズミカルに原始世界が描かれているような曲ですが、ブーレーズの演奏はどこか論理的な抑制と統制が支配しており、どんなに大きな音や合奏でも暴力的な「爆音」にならず、あくまで「音楽」として表現されています。 嫌味やアクの強さはなく、すべてのフレーズに意味がある事をしっかりと教えてくれるようです。
オーケストラの響きは切れが良い上に味わい深く、抜群のリズム感を持つブーレーズのドライブで、まるでコンピュータで計算しつくし、細部から合奏まで考え抜いて演奏しているような印象すら覚えます。
純音楽的な色彩の強いペトルーシュカも似たような傾向です。
しかし、これら二つの曲の持つリズムやダイナミックなテンポの変動がかもし出すある種の「乗り」や「香り」はイマイチ(その分クセがなくニュートラル)なので、その点で好みが分かれると思います。
初めてこの曲を聞く方、アクの強い個性的な演奏が嫌いな方、味わい深い表現が好きな方にお勧めします。
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