日本競馬界に革命を起したといっても良い、ご存知サンデーサイレンス。種牡馬デビューするや否や産駒が重賞・G1を勝ちまくり、JRAの記録という記録を塗り替えてしまったのはご存知の通り。それゆえに、血統の世界で常に付きまとう、一頭の傑出した種牡馬が現れる事による「血の飽和」・・・雨後の竹の子の様に現れたサンデー産駒の種牡馬達、そして繁殖牝馬達。かつてセントサイモンの例がある様に、能力があまりに傑出している為に起こる「血の袋小路」に入り込んでいく宿命・・・ノーザンダンサーの様にこれから多少?サンデーのクロスによる強い馬も誕生するであろうが、その先は・・・特に、この狭い島国日本に於いてはあっという間に「種も畑もサンデーばかり」になってしまっている訳で、将に「サンデーサイレンスの敵はサンデーサイレンス」という「ジレンマ」に陥っている憂いを警鐘した一冊。逆に言えばそれ程ものすごい種馬だったんだなともいえる。競馬、特に血統ファンであれば次々に読み進められる面白く、興味深い本なのだが、「お薦め」という事になると・・・かなりマニアックだな。
BOXセットに特典があるのかどうかわからないが、3枚の中からどれと 言われればまずこれでしょう。サンデーサイレンスの競走映像はそうそう オンエアされているものではないし、貴重なものとなるでしょう。 ライバル、イージーゴアとのレース。きっとサンデーの気性の激しさ 負けん気の強さの証拠、あのシーンが見れることでしょう。
サンデーサイレンスがあのまま、「すごい馬」を生み続けていたら、 日本の競馬界はある意味で非常に「いびつ」なものになっただろう。 本書は、その問いかけのエッセイでもある「サンデーサイレンスの奇跡」が巻頭に来る。要するに、サンデーサイレンスが早逝したのは、 サラブレッドが生命体として維持し続けるための、 自然の摂理のようなものだったのでは……という、運命論と言えば運命論でもある。 つまり、サンデーサイレンスの産駒ばかりになるだけでなく、 「血」もゆがみ、生命体サラブレッドとして サンデーサイレンスの子は自然と弱体化する……という考えでもある。 他の大種牡馬を見ても、この考え方はあながちただの「運命論」とは思えない。
他のエッセイは、サンデーサイレンスの産駒について、 一頭ずつの物語である。サイレンススズカ、ウオッカ、コスモバルグ…… それぞれが面白く興味深い。
「サンデーサイレンスの奇跡」というタイトルからすれば、 ものすごく厳密に言うと、最初の巻頭エッセイだけがタイトル通りで、 他は「それぞれの産駒の物語」だと言えるだろう。 しかし、たとえば「サイレンススズカ」。 私はもしこの馬が天皇賞で死ななかったら、 もし種牡馬としてサンデーサイレンスの血を引き継いでいたら…… と思うと、今でもあの骨折が無念でならない。 あのままのスピードで逃げ切っていれば、 馬場条件の違いはあるにしても、「世界記録」なのだ。 まさに、奇跡を起こそうとした馬だ。 逃げ馬であり、直線ではさらに差す――
こういうドラマが書かれているだけでも、この本の価値はあると思う。 サイレンススズカは、まさに「奇跡の馬」だったと私は思っているからだ。
日本の競馬界を席捲したサンデーサイレンスの生い立ちから現役時代、産駒の活躍まで余すところなく盛り込んであります。特にVol.1で紹介されている、生い立ちや現役の走りっぷりは(ベルモントSを除けば)凄さを感じさせます。 また、Vol.2、3では、2002年までの産駒を世代別にまとめ、そのGI勝利レースはノーカット、重賞勝利はゴール前(海外も地方も含む)が収録されています。世代ごとの重賞レースを流した後で、競馬評論家の須田鷹雄さんと合田直弘さんの対談があります。合田さんの日本馬に対する見方も参考になりますが、須田鷹雄のサンデー産駒の”トリビア”がイイ味出してます。見た後で満足感に浸れる1本です。 ただ惜しいのは、産駒の2003年の活躍ぶりが無いことぐらいでしょうか?たぶん、残りの産駒でVol.4、フジキセキやスペシャルウィークなどの”産駒の産駒”でVol.5が出てほしいですね。
生まれたときからの落ちこぼれ…いまのSS様からは思いもよらない話。 過酷な運命に翻弄されながらも日本ではすばらしい成功をおさめたSS。 ただの名馬物語ではなく、SSを巡る人間のドラマが…ここにはあります!!
|