タクシーの運転手を務める在日コリアンの男とフィリピン女性との恋愛模様を軸に、様々な人々の人生をしみじみと描いた名作です。 これを見終わって、エンドロールに流れる憂歌団の「WOO CHILD」に優しさと切なさを感じたことができたなら、きっとあなたにとって大切な作品になると思います。
封切の時に映画館でこの作品を見た。この映画は、2つの点で素晴らしかった。1つは主演の本木雅弘が、役に、強烈な神を注入していて、尋常でない役作りをしているのだ。彼を見ていると、この映画に出演する彼以外のすべての役者は、狂気を装った演技をしているに過ぎず、まったく凡庸にみえる。ちょい役で出演していた、あの竹中直人でさえ、本木雅弘に比べると凡人にみえるほど、本木の役作りは、狂気そのものだった。
捨吉と雪雄を演じる、本木の神々しいまでの役作りに加えて、2番目の素晴らしさは、塚本監督の超現実的なカメラ移動が、すごい点だ。『鉄男2』でも駆使した、低視線での走るカメラ移動の採用は、おどろおどろしさを増幅している。また明治時代の木造家屋の不気味さを描くことにも成功している。十分に原作の江戸川乱歩の世界を再現しているといえるだろう。
とっても残念なのは、本木雅弘と狂気を共有せねばならない相手役の女優が、メイクはともかく、黙っているうちはまだよい!しかし、彼女の台詞を伴う部分になると、役者が演技しています!という、振り切れない何かが残っていて、本木にとって相手に不足という点がとても残念だった。
しかし、僕自身が熱心に見ていたものの、一般受けは、できないようで、上映中、8組のカップルのうち2組は上映開始後20分も経たずに、途中で退席した。さらに、映画が終了し、最後の文字がスクリーンから消えたとき、振り向くと、僕自身を含めて、たったの5人しか残っていなかった。
くっだら~ん!(笑)ホントにくだらなくて面白い(笑) これは一本と言わず、是非トリックのような1時間ドラマの シリーズ物にしてほしいところ。 野波真帆のしゃべり方は最高~!この人すごいね。
大駱駝艦の記録かと思ったら、軸はひと夏の合宿に集まる若者たちを描いたすがすがしいドキュメンタリーだった。”暗黒舞踏”などというものとは無縁の今どき風の若者たちが、「身体って何だろう」と考えて集まってくる。麿赤兒の授業を受けて、舞踏とは、身体とは、と考えながらも、いつしか無我夢中で身体を動かす参加者たち…みんな最後には顔つきが変わっていた。参加理由の「体がおざなりになっている気がして…」という言葉にぎくっとする人多いんじゃないでしょうか。見たらぜったい身体がむずむずするはず! ちりばめられた、「からだがありゃいいんだよ」とか「天賦典式」という麿舞踏の言葉に感じいった。
撮影は是枝監督の映画などで活躍する山崎裕。臨場感あふれる映像が迫力あった。
それから特典映像が豪華だった!本編では麿さんのインタビューが入っていないが、特典では余すことなく語っている。生い立ちや合宿についてなど、本編と特典セットでみる作品という感じだった。
その時代に生きてる感じに引き込まれました。五感を研ぎ澄まさないといけない映画。カンヌで認められる意味が非常に良く分かります。
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