アルバムはイマイチだったけれど、ライブは最高だった8人イエスのユニオンツアー。東京公演に2回行きましたが、とても良かったので、なぜか今更出たDVDを買ってみました。CDは未聴ですが収録曲は同じのようなので、私はDVDのみの盤を買いました。よって、DVDの演奏内容、映像、音の3点に関して感想を述べます。
まず演奏ですが、オフステージでは反目もあったと言われていますが、それを感じさせない充実の内容です。ただ、ユニオンツアーなのに、アルバムからの曲目は少なめ。唯一収録のSaving my heartではレゲエ風のイントロからスタートしたり、アルバム収録曲はある意味イエスらしくない曲があっただけに惜しいです。とはいえど、トレヴァー・、ジョン、クリスという歴代イエスで最も充実したヴォーカルアンサンブルが70年代の曲でも発揮されており、以降のライブDVDのような懐メロ展開とは違って、かなり新鮮に聞こえます。楽器アンサンブルも、たとえばAwakenラストのシーケンサー風アルペジオフレーズをトレヴァーが弾いていたりと、映像を見ることで音だけでは分からなかった8人ならではの工夫が分かります。また、ドラムデュオおよびトニー、ジョン以外の各人のソロが収録されているのもプラスです。クリスのWhitefishとAmazing Graceの間に挟まれたTempus Fugit(未記載)まで聴けてしまいます。
次に映像ですが、このツアーで目玉だった円形ステージが使われた公演の映像ではなく、通常ステージの映像のため、遠くからのカメラショットであること、加えて会場の暗さもあり、画質はやや粗めです(変なノイズなどはないですが)。リマスターされているので、良くなっているとは思いますが、カメラのブレやピントズレもあります。このあたり、DVDなのでSD画質と思い、ある程度は割り切って見るしかないですね。
音の方ですが、かつてWowowで放送された円形ステージのライブではイマイチだった音のバランスもこのDVDの公演ではうまくいっており、音質も改善されているようなので、思ったよりは各人の楽器が聞き分けられるのですが、定位をハッキリと分けていないため、たとえばドラムの音が誰の演奏か、映像と合わせて見ないとよく分かりません(ブルフォードのエレドラの音が目立ってホワイトの音が隠れ気味)。5.1chならひょっとしたら楽器の分離をもっと良くしているのかもしれませんが、視聴環境がないので、そのあたりは他の方のレビューに任せたいと思います。
最後に付属品について。日本語解説の他にツアーパンフレットの縮小版が付いてきます。これは日本公演でも発売されたものですが、付属するのは英語版。その上、ややぼけているので、読みにくいですが、結構いろいろ書いているので、これはこれで貴重です。
追記:なんとGonzo Multimediaより直販のリミテッドエディションでは、本編には収録されていなかった、Shock to the system、Lift me up、And you and I、Drum duo、Changesが収録されたDVDが付属しているそうです。えー!
ジョンウェットンの83年のラストLiveはブート以下でしたが、他のもので補えます。ドキュメンタリーも良かったし、何よりもTシャツがついていて良かったです。
詐欺師(レオ)と捜査官(トムハン)の追いかけっこがいい!
いつもすんでのところで、鮮やかにカッコよく逃げ切っちゃう。
二人とも知恵の限りを尽くして闘っているのだけれど、相手がまだ子供の詐欺師だとわかって、
捜査官の心の中にいつしか別の複雑な感情が生まれる。
追う者と追われる者、そこにあるのは究極の愛!(銭形警部とルパンみたい)
クリスマスになると詐欺師は捜査官に電話してくる。孤独で寂しくて。
自分の誇りだった両親は離婚し、心底憧れていた父親(ウオーケン)も没落してしまった。
電話を受ける捜査官も離婚して家族を失って、でも指輪がはずせない。
痛みを知った孤独な人間だから、孤独な詐欺師の心が手に取るようにわかる。
逮捕されて、なにも未来が描けない詐欺師を捜査官は救おうとする。
失ったものを捜査官は与えてくれた。そして人生をやり直すチャンスを与えてくれる。
父性を軸にした三人の男の物語。いい映画です!
以前から輸入盤では購入可能な作品であったが、今回の日本盤の発売において、シッカリと付加価値が付いている点を評価したい。
本編映像は以前のものと同じ。全体ボリュームが少ない点も変わらないが、いわゆるアンプラグドというには、とてもチャレンジングなアレンジによる新解釈も嬉しい所だ。(ここでの冒険の成果が、イエスとしての「フル・サークル」ツアーでのセットリストに反映されたわけだ)
付加価値部分は、リハ映像だが、母国ではDJやTV番組の司会者としても活躍実績のあるリックの軽妙でユーモアの聴いたナビゲーターぶりは秀逸で、これに日本語字幕が無かったら、ここまで楽しめないものだ。
YESやASIAのようなプログレではなく、クラシックギターでもなく、私には非常に心地よいサウンドです。ジョンとリックのLiving Treeが、妙に枯れた境地みたいな印象なのに比べて、こちらはポジティブな?枯れ方でいい感じ。ジャケットの写真も、年を取ったことを隠さないイメージを意識的に使っているのでしょうか。
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