江戸時代、武士が隠居した後の話、といってしまえばそれまでである。 しかし、これを読むと、老いとは、そして生きるとは、という問いかけを、突き付けられる気がする。 私がこの作品を読んだきっかけは、NHKの金曜時代劇で見たからだ。脚本といい配役といい、原作に忠実で、満足した。 しかし何より、原作は素晴らしいの一言に尽きる。 初めて読んだ時から十年余りたつが、何度読み返しても、その時によって改めて色んなことを考えさせられる。 二十代のうちから読んでも決して退屈ではない。
これはお勧めです。
軍鶏を題材に凛々しく、穏やかに文章力ね表現力も確か。
数多のレビュアーの方々が仰っている道を、正に魅入られたようにハマッて行く
自分に、一種心地よさを感じさせる・・・そんな傑作シリーズの第1巻です。
齢60目前に、息子よりもはるかに若い妻を娶った老剣豪、貧乏ながらも己の道を
歩む愚直な青年(老剣豪の息子)、そして、その時代の寵児田沼意次の妾腹の愛娘
(凄腕の若剣豪)らが中心となって織り成す時代劇。
流石新国劇の黎明期を支えた名文筆家である池波氏、情景豊かな表現で、読者を
惹きこんでしまいます。これからの展開がとても楽しみになってしまい、夜も
おちおち眠ることができなくなってしまいます。すっかり禁断症状になってしまい
ました。
シリーズ最終巻まで読みきる覚悟が必要な(?)、そんな第1巻ではないでしょうか。
ドラマまがあまり好きでなかったましてや時代劇など…。ところが何気なく見ていた蝉しぐれのドラマにははまってしましました。 脱帽でした。原作を読み、日本人の心の原点を見たように思います。 内野聖陽なる俳優もはじめて知り、参りました。細かい演技一つ一つに文四朗が乗り移っているようで、本当にのめりこんで見ました。 必見です。DVDは予約しましたが ビデオも予約して見ていない友人たちに貸してあげようと思っています。感激を共有したいと思っております。
町人物の一冊です。 主人公新兵衛の夫婦仲の悪さがリアルというか、 自分の経験とオーバーラップしてしまいました。 現実にはおこうさんのような女性はなかなか現れませんがね。 ま、そこが小説の楽しみであります。 おこうと新兵衛が不倫に落ちていく描写も露骨でなくとも興奮させます。 紙問屋の商売の競争に関する部分も、スリリングです。 家庭に問題を抱え、商売に打ち込んでいる男性は必読!泣かせます。
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