Neil Innes - How Sweet to be an Idiot ニール・イネスモバイル

Neil Innes - How Sweet to be an Idiot

ブック・オブ・レコーズ(紙ジャケット仕様)

　この盤は「ロック命」という人には少しとっつきにくいかもしれない。
「ヒット曲」を追いかけてきた人たちには少し重たいかもしれない。
散々ロックやヒット曲を聴きまくって、少し違うジャンルに手を伸ばし始めた人たちに手にとってもらいたいこれは「アルバム」です。トータルアルバムやコンセプトアルバムという言葉が陳腐に感じられるほど、このアルバムにはイネスの「音」に対する愛情が込められています。
　もちろんボンゾドッグバンドやモンティパイソン、ラトルズの一味として聴いてみるのもありです。
　紙ジャケットによる復刻も大変美しく、持っておきたいアルバムです。
　マスターテープ紛失のためアナログ盤おこしですが特に音質的に問題はありません。ただ紙製の内袋にＣＤが裸で入れられている点、内袋につかえてＣＤが取り出しにくい点は減点しておきます。「OFF THE RECORD」と「Rutland Weekend」の再復刻（紙ジャケで）も期待します。

ラトランド・ウィークエンド・ソングブック

　モンティ・パイソンのメンバーであるエリック・アイドルが，ニール・イネスと『モンティ・パイソン』終了後に作った番組『ラトランド・ウィーク・エンド』で使用された曲を収録したアルバムです。

　そしてこの番組が重要なのは，あのビートルズ・パロディの最高傑作であるラトルズが，この番組から生まれたということです（『ラトルズ/４人もアイドル』はＤＶＤで出てますので，まだ見てない人は絶対に見ること）。
　このアルバムにもラトルズのアルバムにも収録されている『I Must Be In Love』が収録されています（「ラトランド出身のファブ・フォー」と紹介されて登場）。
　その他にもフーの秀逸なパロディである『Concrete Jungle Boy』や，正面開閉式洗濯機について歌った『Front Loader』，レーニンが歌う『Communist Cooking』,プロテスト・ソングのパロディである『Protest Song』（そのままじゃん(^^;)，サッカー・ファンを痛烈におちょくった『Football』等々抱腹絶倒の曲が多数収録されています（もっとも，私の場合対訳無しにはわからないものがほとんどなんですけれどね(^^;)。

　肝心のサウンドの方はラトルズやボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドの中心人物であるニール・イネスが中心となって作っているのですから，悪いはずがありません。パロディであっても，音楽的には非常にレベルの高いものとなってます。
　ラウンジ・ミュージック風なものからフォーク，Ｒ＆Ｒ等多彩な音楽を楽しむことができるアルバムですね。

ブック・オフ・レコーズ

テイキング・オフ（紙ジャケット仕様）

　1966-72年にかけBONZO DOG BANDのメンバーとして活動したニール・イネスの77年発表のソロ第2作目。70年代前半からモンティ・パイソン（かの有名な英国のコメディ番組）に準メンバーとして参加、番組から生まれたビートルズのパロディ・バンドThe Rutles（アルバムは1978年発表）に参加していた頃に作られたソロ・アルバムです。　

　ラトルズのアルバムがパロディの範疇に閉じ込めるのには惜しいようなクオリティを持ったアルバムであった通り、ここでも素晴らしい音楽を披露しています。

　マスター・テープの消失のためレコードを元にCDが作られたとの事で、明らかなスクラッチ音が聴かれるのが残念。またちょっと高すぎる気がします。しかし、中古市場でレコードを入手するのも困難だし、またこのCDがたった2000枚限定という事を考えると、購入しておいても損はないかな？という感じです。個人的には、どちらかと言われたら、より多彩で聴きやすい同時発売の3枚目の方をお勧めします。