史記に興味があり購入しました。個人的には少し難しい本ですが商品は良好です。
史記は有名な著作である。 しかし、大概の人は列伝しか見ないようだ。 史記を全て読むことが全ての人の人生に必要、というわけでは ないが、列伝だけでも読んだ人であれば、是非、本紀・世家といった 他の部分も読んでほしい。 古く、中国や日本の知識人たちは全編読んだものと思う。 文明が進んできた(?)にもかかわらず、過去の人たちの 教養に現代人が達し得ないというのは、イビツな気がする
中国のこの時代を背景にしたものが好きで、いろいろ揃えました、まだ見ていませんが、これから楽しみです。
130巻、526,500字に及ぶ膨大な『史記』を著したのは司馬遷であるが、この著作を無味乾燥な歴史書ではなく、生き生きとした迫力ある人間ドラマに仕立て上げたのは、司馬遷の屈折した人生観と激しい怨念であった。
漢の武将、李陵が匈奴の大軍と戦って捕虜となったとき、司馬遷が独り李陵を弁護したことが武帝の怒りを買い、宮刑(去勢)に処せられてしまうのである。この屈辱をバネに、その憤りを著述にぶつけ、遂に完成させたのが『史記』であった。
この経緯は、中島 敦の小説『李陵』(中島 敦著、新潮文庫。ほかに『山月記』等3編が収められている)に独特の文体で格調高く描かれている。
「司馬遷は生き恥さらした男である」という書き出しで始まる『司馬遷――史記の世界』(武田泰淳著、講談社文芸文庫)は、司馬遷という人物を理解し、『史記』の全体像を知るのに恰好の書である。
古今東西を見渡しても『史記』に匹敵するような古典を探すのは難しい.『旧約聖書』も『史記』の圧倒的なリアリティと人間描写の前では,影が薄いと思うのは評者だけであろうか. しかし,原典にいきなりあたるのは,一般人にはハードルが高く,その面白さを伝えてくれるガイドがぜひとも必要である.その意味で,本書はまさに『史記』入門の決定判たりえるできである. 内容は『史記』列伝を中心に,歴史の流れに沿って重要なエピソードを網羅し組み立ている.特に,項羽と劉邦の漢楚戦争の下りは,原書でも同様であるが,手に汗握る展開で,鴻門の会,背水の陣,反間の計,四面楚歌,と次々に繰り出されるエピソードに嵌ること請け合いである. 『史記』の内容がどこまで史実なのかは議論のあるところであろうが,この時代にこれだけの説得力のある歴史書が作られたという事実だけでも,その偉大さには圧倒される.物語的な脚色の多い『三国志』のほうが日本ではメジャーであろうが,本書を通じで『史記』のファンが増えることを願いたい.
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