ここまで、原作を非常に忠実になぞったアニメでした。 コミックとアニメというメディアの違いゆえに、忠実になぞるといっても、その雰囲気を正しく再現するのは難しいのですが、やりとげていました。 ここまでは。 で、ここでいきなり終わるのは無いだろう。(^^; まずは、原作に忠実だったゆえに、ここまでではアニメを選択する意味というのはあまりありません。原作だけ読んでいれば、同じものが得られるうえに、物語の最後まで読めるのです。 なので、今後終盤に向けてコミックでは概念というか世界観が先行しがちでドラマが薄れてしまった部分を、アニメとしてどう魅せるかに注目したいところだったのです。 いろんな側面で解釈の余地がある原作を、アニメはどう解釈してみせるのか… なので、ここで終わってしまっては、このアニメは「コミック読んでれば必要無い」「途中で途切れたもの」になってしまうのです。 ここまで原作を雰囲気まで忠実に再現してきたことが、かえってマイナスになってしまうのです。 コミック抜きでアニメだけで見れば…非常にできがいいけれど、尻切れトンボだったアニメ、ということになるでしょう。 よくあることです。(^^;
突然「竜」についての考察が始まる。
そこから「命」とは何かという
作者の追及したいテーマが提示される。
有機体は作れても「命」は作られない。
では、一体「命」とは何か?
そのテーマを
この作者は、ずっと追い求める。
「命」の入れ物としての身体。
その身体は、他者に、あっという間に破壊されてしまう
非常に脆いもの。
のり夫のいじらしさと衝撃展開に涙すら出ないほどのインパクトを受けました。
最後まで耐え抜いて「自分の決断」=「愛する人を守る」=「愛する人が、自分の命よりも大切にしている別の誰かを守る」を貫いた彼は、やはり言葉の真の意味で誰よりも「男らしい」勇者だったと思います。
しかしそんなのり夫の行動すら巻末で逆転される怒涛の展開。
コミックスのカバー見返しにある作者の言葉が異様な重さを持って迫ります。
本作は自分の中で「メルヘン」や「ファンタジー」の定義を再構築させられた圧倒的な「物語」ですが、本巻はことに恐ろしいまでの問いかけを突きつけられた気がします。
『なるたる』というSFファンタジーアニメを知ってる人には待ちに待ったCD。 まったく知らない方には仮想空間を旅する時のBGMに必携の1枚。 元気印のテーマソングや独特の世界観を持った全30曲の音楽達に、きっと魅了されますよ。
本巻は話の内容と重要な筋から全く外れた非常に異質な一冊。これ一冊だけの為にこの漫画買い揃えても良いぐらい異常にクオリティーが高い。アニメ版では描かれる事の無かった部分を(否。描けなかった部分を)深く知ることが出来るので。 …ある優しくおとなしい少女が小学校で苛めを受ける。その苛める側、苛められる側、その取り巻きの人間模様と陰湿な手口と心理描写の見事さ。そしてその蹂躙された心の痛み、心の叫びを泣きたいぐらいに必死に叫びながら「絶望的」に無力で頼りにならない教師やクラスメート。…家庭内の著しい歪みと変質した兄妹関係によりサディズムの鬼のように精神の歪んだ苛める側の一人。片親違いの兄(ああなるにはこれ以外考えられない)に近親相姦。反吐の出る捩くれまくった精神と腐臭を上げる家庭環境「そのもの」の醜さ。…こういうのはたいてい親も腐ってる事が多いが…実の我が子の生き方をまるで所有物であるかの様に束縛し強制してそれまで必死に耐えてただ唯一の救いで光だったシイナへの「決定的な」ワンアクション。ついに「抑えていた全て」が爆発する。…そして最後の最後で「何故人を苛めてはいけないのか」「何故人を殺してはイケナイのか」を痛烈に問い掛ける。…重い一冊です。…私には「いじめ問題に加害者はいない。しいて言うならばその全てが私達歪んだ大人社会の鏡であり被害者ではなかろうか」という著者の鬼頭氏の潜在的メッセージ性を汲み取った。似たような事を巻末のコメントで著者の方も述べられています。私も同感です。 一度でも良い。未見の人は必ず観て欲しい。 私たち人間全てに共通する問題だと思うから。 人が組織をつくり組織が社会を築いている限り。 星五つ。
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