全曲フルオーケストラというなんとも贅沢なアルバムです。ボーカルは元気なものやコミカルなもの、和めるものなどバラエティに富んでいます。BGMは明るい曲や和める曲が主体ですが、シリアスなものもいくつかあります。ひとつの作品として見たストーリー性が少し弱く感じるので、BGMとして聴くには編集した方がいいかもしれません。
音質はここ最近のCDとしてはベストな部類で、音の「鮮度」は抜群だと思います。最近よく見られるボーカルの割れはありません。スタジオ違いでしょうか、少なくとも17曲目は音質が若干違います。高音域が物足りなく感じるかもしれませんが、本来はこんなものです。私が最初に聴いたときはこれでも出すぎだと感じたくらいです。
厳密には全体的にオーバー??!!ベル気味のようですが、純粋にパルシブな部分が削られているだけで、表面上はまったくわかりません。どちらかといえばクラシック的な録音で、ダイナミックレンジ(音の強弱の差)は広いようです。最近では専用の機材やソフトウェアでこれを極端なまでに圧縮するのが流行のようですが、このCDでは無加工のように見えます。それが音の鮮度に出ているのかもしれません。
発売されてかなり経ちますが、私は今もこのCDをときどきリファレンスとして聴いています。ポピュラー・アニメ系でこういうCDが少なくなってきているのは非常に残念です。特に後者は子供が最初に触れる音楽となりうるものなので、軽視できないと思うのですが・・・
先ずは原作者である福永令三さんの功績である事は間違いないだろうと思います。
「シルバー王妃花の旅」の死神打倒と云う目標が据えられた部分で、途中までの「死神篇」は飽きさせない作りとなっています。
そして「12月の旅」。ここからはシルバー王女が12の癖を直していくと云うプロットが中心に添えられ、
これを見る子供に少なからず(所謂)教育的な啓発を行う事がまた味を添えております。
そしてこれらを纏めたアニメ化
スタッフのセンス、キャラクターが原作の既婚の王妃では無く、
12歳の王女と云う設定にした部分も効果を上げる結果となっています。これは唯子供に受け易いと云う部分だけでは無く。
私もかなり原作が好きで読ませ頂きましたが、原作では若干王妃、野菜の精の会話等、児童文学にしては若干ドライな関係、
ともすれば殺伐とした口調が現れていたものでした。
それがアニメ化された事に依り説教臭が柔らかく、併しさりげなく活かされている部分が秀逸だと思われます。
個人的には、アニメで私が感じる声優の違和感が、旅をするシルバー王女(徳光由香)を初めレギュラーである二人の従者、
カメレオン総理、更には野菜の精が12人、と頻繁に出るキャラクター達まで、違和感無く生命を吹き込んでいる部分です。
最後になりますが子供なのにクールで笑いもこなせるクラウドは幼いながらかっこいいと彼の宣伝で占めさせて頂きます。
正直、クレヨン王国は当時OP位しか見た事がありませんでした。
子供の頃はこういう女の子向けの番組を見るのに抵抗があったからです。
ですが、今になって聴いて感動しました。特に2曲目。
アルバム「SONG BOOK」の方にも同じ
タイトルが収録されていますが、
こちらはアレンジの上、勇気も湧かなければ感動もしません。
なにより、バックコーラスが東京少年少女合唱隊ではない。
音楽を聴いて涙が出そうになったのは初めてかもしれません。
「ありのままに」は、聖歌としても通用するのでは…?と思ってしまいました。
こんないい曲がEDで流れていたなんて、すごいですね。
今の格好だけのアニメではまずあり得ないことです。
DVD-BOXは高くて手が出ませんが、この曲を知らないのは損だと思います。
興味がある方は、是非オリジナル音源を聴いてみてください。