数年前に1年間ハンブルクに住んだことがあります。伴侶が大学の客員ということで大学と外アルスター湖に挟まれた静かな街に住み、建物に興味があり市内はもちろん近郊の小さな町まで十分に楽しんできました。
この本はハンブルクの港やハーフェンシティ、環境首都の新しい魅力や、特徴的な博物館や多数の運河が走る旧市街の歴史的な魅力、更に経済活動まで大変よく伝えてくれていると思いました。
先進的な見本市に訪れるビジネスマンには一味違った観光ガイドになっています。文章も客観的で落ち着いて読むことができました。
近郊のStadeやSchwerinまで載っていたのには感心しながら、でも「エルベ河畔や河口のレストランや、早春から晩秋までよく管理された庭と美しい住宅、市内各地で毎週開かれる青空市場、多彩なお祭りなど」旅名人にはわからない部分を思い出しては一人悦に入っています。
いづれのビールとも異なる苦みとコクがあります。地ビールは結局は一度試さないと解らないです。料理のお伴というより、ビールが主役になるのではないでしょうか。好きな人は、このビールが無性に飲みたくなる時があるのではないかと推測します。
ゲームは淡々と進みます。
各プレイヤーがそれぞれ最適と考えるアクションを行う。
誰が勝っているのかもゲーム中にはよくわからない。
ルールは、多くはないものの、わかり辛い。
遊びはじめれば、そんなには悩みませんが、プレイするたびにルールブックを読み直し確認することが出てくると思います。
しかし、なんとも言えない、おもしろさがあります。
爆発的なおもしろさではなく、じわじわとくるおもしろさ。
はじめて買うボードゲームとしてはお奨めできませんが、既にいくつかの定番
タイトルを持っている(あるいは遊んだ)という方には、ぜひ体験していただきたいゲームです。
ゲームルールの概略を記してます。
○手番にいくつアクションを行ってもよい(条件がありますが割愛)
○アクション
'@商品を購入する:その都市に置かれている商品タイルを購入する
'A販売所を設立する:所有する商品タイルと交換する形で販売所が設立できる
'B商品を売却する:自分の販売所を使うことで、商品タイルを売却=勝利点化する
○手番の終了時にお金は3単位しか持つことができない(余剰分は税金として没収)
※毎手番に3単位が新たにもらえる
※従って通常であれば最大金6単位で手番スタート(ただし他プレイヤーから追加で得られる場合あり)
「商品」、「販売所」、「勝利点」の3要素が三すくみのように存在します。
実感としてイメージしにくく、これがルールの理解の難所ですが、承知してしまえば、これが非常に悩ましくこのゲームのおもしろさの根幹を成します。
さらに、お金を余剰として残すことができない&使いきったとしても手番最初に3単位がもらえるというユニークな設定が、特定プレイヤーの独走をはばみ、展開を深めます。(非常によく機能しているアイデアだと思います)
ボードデザインは美しく秀逸。
外箱がスリムなのも住宅事情が悪い日本人には嬉しい。
さらに国内流通価格も低め。
これらの点も加味し、高評価とします。
ボードゲーム好きな方に追記。
作者であるミハエル・シャハトの本領が発揮された作品です。
同作者の「王と枢機卿」(「チャイナ」という名でリメイクもされています)、「パトリツィア」とセットで遊び比べてください。
この「ハンザ」を加えた三作品の、それぞれ、どこに力点を置いているか、非常に興味深いものがあります。
なお、この「ハンザ」には作者によるエクストラルール(勝利点の計算方法の追加)が公開されています(ネットで検索できます)。
これを採用すると、「王と枢機卿」、「パトリツィア」と似た風味となります。
よりゲームが深まり悩ましくなりますが、いっぽう標準ルールだけとしたほうが「ハンザ」の個性は引き立つように感じます。
それぞれのルールでお楽しみください。