よく帰ってきてくれました。
2006年の問題作「FutureSex/LoveSounds」でポップR&Bに対する見方を大きく変え、注目されたJustin Timberlakeによる7年ぶりの新作。
全米では初週だけで80万以上のセールスが確実視されるということで、何やら売り上げだけ見るとただの大衆音楽か何かかと勘違いされそうですが、今回は7分を超える曲も多く、R&Bの中ではかなり挑戦的な大作志向となっています。
この7年間で俳優業などを経て、JTのスタイルにも変化があって当然だと思っていましたが、遊び心あふれたサウンドや大げさにかっこつけた歌詞をはじめとして、JTの根本的な部分は微塵も失われていません。
長い展開の中で単調にならないように配慮したTimbalandとJ-Rocによるプロデュースも素晴らしく、中でも管楽器やハープをサン
プリングしたシングル「Suit & Tie」(ft. Jay-Z)の完成度は驚異的。
Timbalandの「You Ready, JT?」という掛け声を合図に小気味良く繰り出されるサンプル、JTとJay-Zのヴァースは圧巻です。
客に対していかに媚びを売るかに終始して、ボーカル以外の個性をすべてかなぐり捨ててしまったR&Bミュージシャンも少なくない中、重厚な展開の中でリスナーをJTの世界に引きずり込む手腕はさすが。
ただ、今までは「SexyBack」「My Love」など非常に簡素なサウンドが多かった印象がありますが、今作は8分超のシングル「Mirrors」をはじめとして、比較的ゴージャスになっています。
またその一方で、「Blue Ocean Floor」など、エレトロニカやアンビエント、ダウンテンポを強く意識した曲もいくつかあり、このあたりは好みが分かれるポイントになるかもしれません。
多少の変化はあれど、やはりJTの世界が唯一無二である再確認させられました。
今年中にもう一作出すつもりらしいので、そちらにも大いに期待しています。
待望の『FutureSex/LoveSounds』を引っさげてのツアーがDVD化!12月発売と書いてますが某CD店の店頭に並んでいたので早速買いました。
やっぱりJTはすごいエンターテイナーです。まず踊りがかっこいい!そしてステージの懲り方も『Justified』のツアーから比べると遥かに進化しています。
バラード陣もインシンク時代の『Gone』を初め、前作からも良いところ取りで歌ってくれるのが嬉しいところ。ティンバランドのゲスト出演なんかもありますし、バックステージの状況も見れたりするので、ツアーに行った人も行けなかった人も存分に楽しめる内容です。
すごかったのはグラミーでも披露した『What Goes Around.../Comes Around』だと思います。きっと会場にいたら体感音だけで圧倒されるんだろうなぁ、と4年前のツアーで生で聴いた『Cry Me A River』の衝撃が復活しました。今回は曲のスケール感もプラスされるので、本当に生で聴いた人々が羨ましかったです。あと『Losing My Way』も素晴らしい。フォルセット多様の歌い方やダンスに気を取られてついつい忘れてしまいそうなJTの歌唱力の凄さを改めてビシバシと感じました。
こんなにすごいパフォーマンスを見せてくれると、次への期待度がどんどん上がってしまいますが、きっと次も一杯驚かしてくれること間違いなしでしょう!