「
パリは燃えているか」はあまりに有名なので省きます。
NHKドキュメンタリーのテーマ曲の中で最も日本人的な「黄昏のワルツ」に感動します。
「プロジェクトX」は、困難に立ち向かい、ついに勝利する勝者の物語ですが、「黄昏のワルツ」がテーマ曲となっている
「にんげんドキュメント」は、敗者とは言わないまでも少なくとも勝者ではない日本人の美学を描いています。
会田雄次ならいきなり切って捨てられそうなセンチメントですが、多くの日本人は敗者に共感を覚えます。
「黄昏のワルツ」は、追いかけても追いかけても捕まえられぬ青い鳥を求めるひたむきな(無駄な、とも言える)日本人の
きまじめさ、いじらしさ、自己憐憫がない交ぜになった想いが伝わる名曲です。
秋の夜、一人 ランプの明かりだけともしてじっと聴きたい名曲です。
1995年の「
パリは燃えているか」O.S.T.しか持っていなかったのですが、2枚組なのでベスト盤のつもりで購入しました。
1枚目は
フランス時代の即興JAZZが7曲。
2枚目はピアノ・ソロと『白い巨塔』『大河の一滴』『博士の愛した数式』など映像作品テーマ曲中心に15曲。
2枚目最初のピアノ・ソロ『ポエジー』に震えました。
ライナーノーツ(ご本人による楽曲メモ)によると、帰国後、音楽スタイルの変遷する上でターニングポイントとなった記念すべき曲とのこと。
「BGMに聴こう」なんて思っていたのですが、とんでもない間違いでした。
同じくライナーノーツによると、
・映画「阿弥陀堂だより」テーマ曲『風のワルツ』はO.S.T.をもとに再構成したロングバージョンで収録
・プロジェクトJAPANテーマ曲『フェニックス』はオリジナル音源より初CD化
とのことです。
原点から最新スタイルまで40年の集大成の本アルバム。繰り返し鑑賞したいと思います。
第二次世界大戦の戦勝国、アメリカ・ソヴィエト社会主義共和国連邦(ソ連)・イギリス・
フランス・中国の中でも、アメリカとソ連の利権は大きく、後の米ソ冷戦につながっていく。その中で重要な役割を担った、ヤルタ会談、ポツダム会談の記録である。アメリカとフランクリン・ルーズヴェルトとトルーマン、イギリスのウィンストン・チャーチルとアトリー、ソ連のスターリンの会話に注目したい。日本の分割占領案が通っていたら、現在の日本も、東西
ドイツや北朝鮮と韓国のように分断されていたかもしれない。
先日ラジオで「
パリは燃えているか」を聞きその曲が気に入ってこのCDを買いました。
10曲全部がとても気持ちの安らぐ音楽だと思います.
休日の朝淹れたてのコーヒーを飲みながらこのCDを聞くのが最近の習慣です。
事故で負った障害によって、80分しか記憶を保つことができない数学者と、シングルマザーの家政婦、その息子の心の交流を描いた映画です。数学の教師になった息子が、博士と母親の出会いや、自分自身と博士との交流を語っていくという形で、ストーリーは進んでいきます。
物語の随所には、数学の知識(友愛数、絶対数など)が登場し、博士の数学への愛情と、物事の本質を追求する姿が表現されています。
この話、数学を愛する記憶障害の「変人」の博士と、孤独を感じさせるシングルマザーの家政婦とその息子の、温かいストーリーを期待させる展開で始まります。博士はすでに9人も家政婦が代わっており、家政婦も、「彼女にできる唯一の仕事」は家事だけ(博士のプライベートには関わらない)でいいという紹介のされ方です。
つまり、扱いの難しい変人博士と、孤独を漂わせる家政婦の間で育まれていく交流ゆえに、感動が高まるような設定にしているはず。ところが、劇中の寺尾聰演じる博士も、
深津絵里演じる家政婦も、基本的に心の優しい「いい人」であって、お互いに心の距離を縮めていくのが自然な流れのように感じられ、特別な感動を呼ばないのです。記憶障害が扱いにくいものであっても、家政婦が9人も代わるほど、博士が変人であるような描かれ方はありませんし(今までの家政婦が悪いんじゃないの?という疑問が・・・)、そもそも記憶障害の扱い方もうまくありません。
一番、ストーリーの要となる設定に対して、登場人物が若干ずれているように感じられ、特に悪い部分もない代わりに良い部分もない、単調な映画になっている気がします。寺尾聰の雰囲気のある演技はとてもいいのですが・・・。
博士と兄嫁の不倫をにおわせる部分も、ストーリーの中で大きな役割を果たすことなく不完全燃焼感が残ります。
数学という、みんな学んだことはあっても、日常触れる機会が少なくなってしまった知識を、劇中にちりばめたのが、本作の勝利要因になっているのでは、と思います。