名盤「Night Lights」につながるかのようなArt FarmerとGerry Mulliganとの見事なアンサンブルを聴くことができる。バックのベースとドラムも気心の知れた仲なので,四人が繰り広げるアンサンブルはリラックスした中にも緊張感にも溢れていて,聴く者の心を離さない。このころのウェストコーストは本当に静かに熱かった時代だと思う。
とにかく、まず写真が素晴らしい。きれいでカッコイイという意味ではなく、全く逆。痛んでいて汚れているし、写っているミュージシャン達は不意に撮られたものが多く、自然体で生々しい。だからこそ当時の現場に居合わせたかのような感覚を覚える。
現在はバリー・ハリスが住んでいることでも知られるキャットハウスでの写真が豊富。ある意味
ジャズの聖地と言えるのではないか。
3つの答えからは、バラバラというくらい個性がにじみ出ている。奇行癖で知られる人が意外と人格者であったり、インテリであったり、ユーモアにあふれていたり、単なるやんちゃ小僧だったり、
ジャズミュージシャンとひとくくりでは語れないほどのバリエイション。神格化されたJazz Giantsたちも、当時は自己の音楽確立、世の中から認められるため、そして収入を得るために、様々な葛藤を抱きながら切りつめた生活を送っていたことが伺われる。それにしても何人かの発言には心底ドキッとさせられた。ロックやファンクが台頭してきた(それまでの
ジャズの活動の場が脅かされる)60年代だからこその発言もあろう。
それにしても半分以上の
ジャズミュージシャンの名前を聞いたことがなかった。我々には名が伝わらない素晴らしい
ジャズメンがたくさんいたということだ。
そして何より、パノニカ男爵夫人の、
ジャズミュージシャンに対する深い愛情をひしひしと感じる。
スペースに余裕があるので、ミュージシャン自身の原語(
英語)と日本語両方載せてもよかったのではないか。
というわけで、原語でも読みたかったので、
英語版「Three Wishes」も購入した。
よく青春もので、初体験ストーリーは山ほどあるが、この作品は一人の少年が、仲間に先を越されるが…ラスト。他の仲間たちが羨むとても美しいカタチで、大人へと導かれる。80年代、ティータム・オニールやフィビー・ケイツなどが同じような作品に出ていたが、おもいでの夏は「銀幕上最も、美しい喪失シーン」と言われている。
誰に薦めてもほぼ間違いなく「良い」と言う。貴方もきっと好きになるだろう。都会的で洗練された夜のイメージにピッタリだ。さりげなく始まり、やがてエンディングに向かってドラマチックに収斂されていく「Fastiv Minor」は何度聴いても唸ってしまう。ある人がうまいこと言った「1曲目で夜が始まり7曲目で夜が明ける」。LPになかった
ボーナストラック7曲目の「朝」。
人妻に恋する少年という、いくらでもエロするとことも、グロくすることが可能な素材を、旋律の美しい音楽ともに、とっても心地のよいラストに持っていってくれる。これでもかと、キザなラストは、これぞ映画と言える。「そして僕は永遠に・・・」。リ
アリティをどこまでも追求するなら、映画なんていらない。映画は、デフォルメすべき。これを当時、劇場で観た観客の観賞後の高揚感が羨ましい。