ストーリー自体はそう面白いものではありませんでした。 成田三樹夫さんが見たくて購入したので値段と内容には折り合いがつきました。 ストーリーや面白さを求める方にはおすすめできません。
青い三角定規の歌は正しく私たちの音楽です。「結婚しようよ」や「戦争を知らない子供たち」などフォークの名曲といわれる曲も収録されていますが、何といっても「太陽がくれた季節」は、私たちの世代にとって鮮烈でした。ちょうどサッカー部に所属していたこともあり、この歌は私たちのテーマソングでした。苦しい暮らしの中にもわずかばかりの希望はあり、この曲を聴くと今でもジーンときます。当時、自分たちには青春なんてないと思っていましたが、やはり一つの青春だったのですね。
日野市次郎が江戸出府中に、不穏分子により刺殺されたとの知らせを受け、妻の絹は蝦夷松前から江戸へと赴くも、ひとり息子の勇馬は藩邸から消え失せ、市次郎は荼毘に伏された後だった。 その死の真相も分からず、松前藩に不信を抱き、深川の裏店を借り小間物の行商をしながら、勇馬を探し求める日々。 ひょんな事から知合った船宿の後家・おひろとその娘・おときに関わる母娘の業を解き放し、水茶屋の茶酌女・お君の思い人との縁に触れるなどし、人との繋がりを深める一方、絹にも定町廻り同心・持田勝右衛門との静かな恋心が芽生えていく。 出会った人たちの助けを借り、3年振りに見付け出した勇馬は、陰間に身を落としながらも、父の仇討ちを心に誓っていた。 深川を舞台にしながらも全体に垢抜けた感が漂う。家老の妻女でありながらも、夫と息子を探すために行商までして糊口を凌ぐ絹といった凛とした女性が主人公である。夫の死の真相、そして息子の行方がメインとなるが、そこにやもめの同心との大人の恋模様が絡み合い、中年女性の絹の心情を生々しい視線で捉え、生のある女性が描かれている。
井戸替え、どぶさらい、みんなが力を合わせてやる。 しょう油、味噌の貸し借りも気兼ねのない、裏長屋の生活。 農家の親類が持ってくる野菜を分けたり、力のない老人を 若い者が助けたりする一方で、意地悪な奴もいる。 そんな弥三郎店に住む大工や職人たちの、貧しいが一所懸命 働いて生きる姿が、著者ならではの手法で描かれる。 気づかい、思いやりの大切さを考えさせられる一冊。 一つところに長く住む江戸の生活があるから、隣近所の お付き合いは大事になる。 そういう、暮らしの背景があってこその物語だろう。
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