岡本2号かと思いきや髪型に騙されたが、疫病神DIVの顔と中身は篠塚2号だ。しかし、いくら篠塚に似ていても篠塚ではない! 慎悟の隣には篠塚、篠塚の隣は慎悟。他に誰かが並ぶのを許せるとしたら兄であり親友のイックしかいない。DIVがキモいよ。誰か、このキモ男を殺してくれないだろうか? 慎悟が更生させることになっているから無理かな。
弱い敵を一方的にぶちのめすだけ、篠塚がただ暴れるだけに堕落したレッドスクランブルの下り坂は未だにブレーキがかけられる気配すら無い! 篠塚に拮抗するか準じた強い敵とは戦うことなく相手が退場してしまう。
「Mission8:episode3」での、No.55の台詞の変更。
* 雑誌掲載時→ ええ。9はすでに他の任務についていますが。9の消息を探るため、橘慎悟に近づくつもりでしょう。それらしき人物がこの地区に入ったという情報も来ています。
* コミックス→ ええ。どこからか橘慎悟の情報をつかんだらしく9の消息を探るため、彼に近づくつもりでしょう。それらしき人物がこの地区に入ったという連絡も来ています。
「Mission8:episode4」での、DIVの台詞の変更。
* 雑誌掲載時→ おまえの恋人の名は篠塚と言うのか?
* コミックス→ あんたの恋人の名は篠塚と言うのか?
波濤砕け散る断崖絶壁の上に建つ、今は使われていない別荘に監禁された橘慎悟(♂)は病床に臥した。最愛の妻の命を狙う暗殺者に心を許してしまったことに自責の念に駆られ飛び出した森の中で雨に打たれ、怪我と大量虐殺を目撃したショックもあり発熱したのだ。慎悟は確かに拘束されてはいないが、別荘は三方を森に囲まれており、バルコニーの真下は海、一番近い人里まで車で数時間も掛かるため、自力で脱出を試みても弱った体では確実に行き倒れるだけだった。『
名探偵コナン』の「File.366 - 367 丸見え埠頭の惨劇」等々にあるように、これもまた“クローズドサークル”だ。
光と道を閉ざすクライモリの牢獄に、疫病神DIV(♂)と同じ「赤い馬」の暗殺者BEVII(♀)が現れた。彼女の目的は“金の卵を産むガチョウ”慎悟の本部連行!遂に暗殺組織「赤い馬」の崩壊が始まった。
今や“お小言大王”と化したイック(No.19 / ♂)の怒鳴り声を携帯越しに聞かされ、頭を突き抜ける衝撃波を目覚ましに強引に覚醒させられた日々。それすらも和やかな暮らしの証だったが、遂にDIVとの友人ごっこに幕が引かれた。
篠塚の命を狙う暗殺者とも知らずにDIVを炭焼き小屋に隠そうと村を離れた慎悟は、山林の中で篠塚を恨む
ドイツのテロ組織「T・E・E」に遭遇してしまう。もはや正体を隠している場合ではないと判断し、DIVは人質の慎悟を確保すべく残党を血祭りに上げた。確認できただけでも計13名の残党メンバーが五体をバラバラにされ、マトモに五体が残っている死体は一つとして無い。文字通り彼らは惨殺された。殺害後の死体の解体ではなく、あくまでも殺害の手段としてバラバラに切断した。最後の一人の殺害は『スケバン刑事』のサキの父が母ナツに殺されたシーンに重なる。サキ→慎悟、サキの父→残党メンバー、ナツ(サキの母)→DIVだ。慎悟が幼いサキのように正気を失ってもおかしくない血塗られたシーンである。
「泣きも笑いもしない機械のような人間。あいつと同じ感情表現が苦手なんだと、ずっとそう思っていたが。そうじゃない。苦手なんじゃない、こいつは感情が―――――ないんだ。どうして、どうしてそんな。」
篠塚に対する愛の深さゆえに、慎悟は拉致されて少ししてから二人の相違に気づいた。慎悟を巡る“似て非なる者”の戦い、「抑制」篠塚高(No.9 / ♀)と「喪失」DIVの対決はいつ描かれるのか? ってか描かれるのかすら怪しいと思っていたが、やはり対決は無しで終わるようだ。が、幼い頃から感情を捨てたロボット同士、機械仕掛けの神という名の道具同士の対決を仄めかしておきながら、作者も本当にいい加減だな。訓練で感情を抑制して心の奥底に置き忘れ、機械に徹する内に心を凍てつかせてしまった篠塚は奇跡の出逢いの夫である慎悟の愛に心の氷塊を溶かされ春の至福に包まれた。感情を捨てさせる教育により感情が消失したDIVは“死んだ”感情を慎悟により再生され人間への道を無自覚に歩み始めた。
慎悟は自身が何故警戒を解いてしまったのか、今更ながらに思い知る。出逢ったばかりの頃の篠塚に似ていると思い慎悟はDIVに心を許してしまったが、裏を返せば彼が篠塚をどんなに愛しているか、どんなに理解しているかという証明でもある。そんな慎悟を案じつつもUB日本支部で暗殺組織「赤い馬」とDIVに関する報告を聞き、イックは内心青ざめた。組織内で“死神と呼ばれる男”DIVの生い立ちと単独で活動する成功率100%の仕事ぶりまでもが篠塚に重なり、何故、慎悟がDIVを受け入れてしまったのかを知る。2人の居所をつきとめることも「赤い馬」の息の根を止めるのも簡単だが、慎悟の身の安全を考えると迂闊には動けなかった。
暗殺組織「赤い馬」本部では、老齢により体調を崩したファドリケ・アルバ・バハモンテの部屋に幹部達が集う。DIVが組織の情報網を駆使し現地(日本)で情報収集に勤しんだ結果、慎悟のフルネームと“シノヅカ”及び2人の関係とそれにより女性だという追加情報が齎された。慎悟拉致に関連して「T・E・E」を数年前に壊滅させたのが篠塚であること、慎悟の拉致被害履歴に名を連ねる巨大組織にこの時点で名無しだったアフリカ系とアジア系の幹部は色めき立つ。その頃、どんな形でもDIVを倒し「赤い馬」を殲滅させることの出来る“慎悟の妻”篠塚が横田基地に降り立った! アメリカ空軍の協力を得、輸送機に便乗させて貰って日本に急行したのだった。横田基地の再登場は作中時間で3年ぶり、作者が描くのは12年ぶりになる。
因みに、ミステリーボニータ12月号の「Mission8:episode8」で問題の新キャラの男性メンバーには正式に【No.55】というダブらないコードナンバーが与えられたが、それに続いて訂正予定だった「Mission8:episode3」では失敗した。彼のコードナンバーが呼ばれる2回の内、DIVが来日した目的は篠塚殺害だと連絡した際、雑誌掲載時の間違いのまま【No.77】となっていた。
2回もDIVの半裸をカラー扉絵にという愚挙をしたばかりか、コミックスの表紙にするなんて! コミックスの表紙にするなんて! W主人公の慎悟&篠塚を差し置いて呆れる。
この「Mission8」が作品の転生の機を狙うものなら、作者が恋愛不要論を振り翳す連中に尻尾を振っているわけではないのなら、慎悟・篠塚・イックのマトモな再会が望めるだろう。ドラマ性の欠片もない篠塚のアクションを描いているが、そんな腐った現状を打開する一編になって欲しいと願っている。
人形劇が大好きで、数多くの人形劇を観てきましたが、こんな人形劇は、初めて。まず、舞台がゴミの世界だし、登場するキャラクターも何かへんちくりんなものばかり…。と思っていたが、見だすとその虜になって最後まで一気に見てしまった。まず感じたことは、制作者の発想の豊かさに感心しました。一人ひとりのキャラクターの個性的なこと、人形の演技のすばらしさ、等々大変楽しかったです。CGとの組み合わせも悪くなかったと思います。話の内容も人情味あふれるものに仕上がっていたと思います。また、各巻に納められている映像特典のメイキングオブドラムカンナや、突撃リポートなども興味津々楽しく見ることができました。