矢野顕子のファンでもスルーしてしまうような一見地味な作品ですが、
これ、よかった。
(私は映画を観ていませんが)観てなくても楽しめました。合間に劇中のセリフが入ってるサントラとかよくありますが、
これは全曲矢野顕子のピアノ(と唄も少し)だけで
「完全に矢野顕子」のCD。
ピアノ弾き語りの時とは少し違った(と私は感じた)一面が覗えました。
ピアノだけ、というある意味ごまかせない状況(ピアノだけでも聴かせることができる実力があるのはわかっているが)
の中で、ピアニストとしての実力が発揮されている気がします。
ずーっとピアノを弾いてきた矢野顕子さんの積み重ねを聴くような感じもして、味わい深いです。
下のレビュアーの方も書かれていますが
「ピアノ三部作」などの、ピアノの矢野顕子が好きな人はもちろんですが、
(クラシック、
ジャズなどジャンルを問わず)ピアノが好きな人は楽しめるんじゃないかと思いました。
恒夫は普通過ぎるほど普通で、あまり物事を深く考えず若くて欲望に忠実、素直で気の好いのだけが取り柄な男。だからこそジョゼと恋愛ができた。(だからこそ別れてしまうのだが)これが福祉まっしぐら真面目ボランティア男ならダメダメなのだ。旨い飯につられて通いにくるちゃっかりさとか、帰らないでくれと言われてそのまま居着いてしまうとことか、いとおしいのはジョゼより恒夫の「普通」さ加減だ。それこそがジョゼが生涯手に入ることはあるまいと諦めていたものだから。しかし付き合いが深くなるにつれ、愛おしい筈のその普通さは陰り苦渋が混じり始める。ラスト、子供のように泣きじゃくる恒夫と対照的に、ジョゼの背中にはもう失うものはなにもない人間の強かさを感じさせる。
抽象的な映画で今一つ何が言いたいのか分からなかったのですが、セリフが少ないなかでミンギ君の演技力に感動しました。流氷や雪の景色もとてもきれいですが全体的には暗い作品です。ミンギ君が素敵だったので5つ星にしました。