一見DVD化されていないように見えますが、あきらめてはいけません。
日本語吹替搭載のデジタルニューマスター化された、
国内正規盤のDVDがスティングレイ社より発売されています。
Googleで「allcinema selection マニトウ」で検索してみて下さい。

☆飛行機レースを題材にした愉快で珍妙なアドベンチャー・エンターテイメントの傑作『素晴らしきヒコーキ野郎』のケン・アナキン監督が今度は飛行機からクラシック・カーにくら替えした、喜劇風味のカー・レース映画。性格的にはブレーク・エドワーズ監督作品『グレートレース』と通じるモノがある。今でもモンテカルロで開催されている格式の高い過酷なレース・ゲーム〈モンテカルロ・ラリー〉を料理の材料としては扱っているだけに、迫力のレース場面が満載の直球感覚の娯楽作を期待していたが、結果としてはお門違いの中途半端な仕上がりに落ち着いた。内容はもしこのレースで優勝すれば自動車会社の権利を得られる!。という夢物語のような楽しき一篇ではあるものの、まず一番不味いのは、ヨーロッパの5つの地点から同時に用意スタート=(出発)する展開だが、地理的状況がハッキリしないのが致命的で、出足からまごついてしまう。要領のよい抜群の運転捌きを疲労するアメリカ人の理論派チェスター(トニー・カーティス)、英国貴族のカスバート(テリー・トーマス)、前科者シッケル(ゲイル・フレーペ)、将軍(ピーター・クック)、警官ランチア(ワルター・キアリ)のイタリア代表3人組、フランスの女性ドライバーであるマリー(ミレーユ・ダルク)等々、このレースに参加する奇人から変人、胡散臭い連中を中心とした個性が噛み合った色とりどりな選手たちを演じた役者陣も確かに魅力的だが、途中に挿入される間接的なお笑いも不発で、まだるっこく、てんやわんやの人間模様もあまり冴えず面白くない。ポール・二ューマン主演によるハードボイルド私立探偵モノの名作『動く標的』や大味な戦争映画『バルジ大作戦』、脱走ムービーの意外な掘り出し物『謎の要人・悠々逃亡』以外は並程度の通俗的映画しか作っていないケン・アナキン監督としては上出来の部類である『素晴らしきヒコーキ野郎』のような空中で繰り広げられた冒険的なスリルとオトボケを絡めたお色気趣向、奇抜なアイデアを凝らした具体的なアクションの見せ場も欠如している。肝心要ともいえるカー・レースの走行描写も歯切れが悪く、スピード感がイマイチ伝わってこないのにも興ざめる(泣)。しかし、そんな不満を救っているのは、やはりこの映画に登場する時代物のモダンで、レアなクラシック・カーの数々で、無類のカー・マニアの方ならば、展示会のように車を眺めているだけでご機嫌になれるでしょう。それだけでも一見のお値打ちは充分にございます。もう一工夫スマートな作りに徹していればもっとオモロク仕上がったのにザンネン!☆。

１９５９年公開作品、コメディの鬼才こと名監督ビリー　ワイルダー氏の代表作！、主演はアメリカを代表するセックスシンボルといわれた女優マリリン　モンロー、２枚目俳優のトニー　カーティス、コメディを得意としたベビーフェイスな俳優のジャック　レモンと実に豪華！、素晴らしいコメディ作品で間違いなく女優マリリン　モンローの代表作となったのですが、演技派への転身の失敗、再びこうした低予算のお色気役に逆戻りとなってマリリンはとても落ち込んでいたといいます、女装をして待たされるばかりだった俳優のトニー　カーティスはマリリンとのキスはヒトラーにキスしている様なものだったとコメント、マリリンはこれに激怒したといいます、それでも「あなただけに愛されたいの」や「ランニングワイルド」などの名曲を歌うマリリンは最高でした！。

若干、知ってしまうと興が削がれる部分があります。シリアルキラーもので長らくＤＶＤ化されていなかった１本。当時としては実験的だったマルチ画面を多用した(今となってはさすがに新奇さは感じられない)真っ当な実録犯罪映画で、４０年以上経った今でも充分鑑賞に耐え得る作品。内容は概ね事実に即しているが大きく異なるのは、実際のボストン・ストラングラーが異常性欲者で、殆ど自白しか事件の全貌を明らかにする術がなく司法取引しているのに対し、映画では犯人デサルヴォを多重人格者として設定、責任能力を免責しているところだ。映画的にはこの方が良いと感じたが、多重人格の原因を描くまで行かなかった点、奥行き不足となった感は否めない。なかなかユニークなのはデサルヴォを演じるトニー・カーティスが(残念乍ら今年亡くなったが、当時４３歳のカーティスが皆さんの評価通り素晴らしい演技を見せている)顔を表し登場するのが映画が半ば過ぎたところという点だ。この構成には唸らされた、上手い。実録シリアルキラー映画として私が最も評価する『CITIZEN X　チカチーロ』には及ばないものの見て損しない作品です。