本作のホンは素晴らしいと思う。
深田恭子のキュートな天使を軸に、いくつかのエピソードを担う俳優陣も
永瀬正敏、
永作博美、内田朝陽ら安心して観られる役者ばかり。また森迫永依も大器の片鱗をうかがわせる好演だったと思う。でも、どうしてこのような仕上がりになってしまったのか。やはりこれは監督の力量によるところが大きいと思う。宮坂監督は普段、PVなどを撮っている人だ。だから舞い降りる天使の撮り方などVFXの処理は上手いのだが、なにしろストーリーメイクがダメである。これを篠原組で撮ったら、もの凄く素晴らしい作品になったと思うぞ。本当に惜しい。
深田恭子のセリフのない天使役は本当にハマっていて、ガーディアンエンジェルとしての存在感もあったが、やっぱりワンショット勝負のPV的。映画は一瞬のビジュアルで魅せるものではない。宮坂監督ももう少しシャシンの勉強をしてから、新作に臨んでほしい。本当は星2つだが、俳優陣にプラス1つ。なお、
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サントラを聴くと映画の場面が思い浮かぶと思う、でも、このプールのサントラは不思議と場面が出てこない。
たぶんそれは、映画の持っている独特な空気感というかあの流れ続けている感じが影響しているんだと思う。
劇中で
小林聡美さんが弾き語りで歌われている印象的な曲が、自身の作詞作曲ということを知って驚いてしまった。
どうしてあんな歌詞を思いついたのか、なんとも不思議なんだけれど、あの映画とすごくマッチしていて、とてもいい感じ。
サントラとしてではなく、きちんとした音楽として聴ける1枚。
もちろん、映画を見てから聴いた方がいいのはいうまでもないけれど。