まってましたの
十兵衛ちゃん二作目もついに最終巻。もともとキャストに合わせて作られたキャラだという話だから、堀江由衣さんがやるって聞いたときは、ひょっとすると「フルバ」の流れ?ほんとに大丈夫かいな、と思ってたけど、終わってみればすっかり板についてしまって、さすが売れっ子、名前だけじゃないね、とあらためて見直した次第。これで堀江さんも立派な大地一座の一員ということか。
ストーリーは大地丙太郎氏の十八番ともいうべき、ナンセンスギャグを散りばめて、シリアスをピリッと利かした良作になっている。殺陣のシーンも前作に増して派手。時間の流れも入れて、自由がしっかり成長している様を描いてあって、親子愛あり、友情あり。はたまた、バンカラトリオwith四郎、シベリア柳生と、ギャグも磨きがかかっている。設定はこれはちょっと勘弁、ってなぐらいにご都合主義で、いい加減で、展開にも無理がありまくりなんだけど、最終話まで見ちゃうとこれがしっかりとしたドラマになってるんだから大地マジック。そうなると惜しまれるのがたったワンクールで終わっちゃうということ。こんだけ短いと、重大な欠員、鯉之介置鮎さんの芸達者を新キャラが埋めるまで、魅力を引き出せてない。そんなとこは、やっぱり「2」だよなぁ、と感じさせてしまうところだ。話をのばした分だけ密度が減ってしまう。これはもうとても惜しい、惜しいけどやっぱりうまい。世にあふれる無数の駄作に比べれば、画も演出もすばらしい。先の
十兵衛ちゃんを見ている人の見ていない人も、キャストに
スタッフを使ったり、一筆書超デフォルメキャラや突然現れ
ロシア語を突っ込む意味不明の仁左衛門さん、そしてロケハンの写真をそのまま使ってみたりと手段を選ばないナンセンスギャグは絶対に笑わずにはおれない。そんな大地ワールドを楽しむのに理屈はいらない、見るべし。