ヨーロッパが舞台な漫画が好きなので購入しましたが
なんだか詰め込み過ぎでごちゃごちゃした印象を受けました。
史実をモチーフに世界設定が創られているようですが
小難しい注釈ばかりで読みにくいです。
発想は良かったと思うのですが
説明文ばかりの漫画は疲れてしまいます。
作者さんの独特の描き方で絵面も黒すぎますし、
もう少しやりようはあったのではないかなと思います。
ドイツについてよく知れるのでその点は良いですね。

要は学園でバーチャロンバトルだ！というイメージのテーマのTRPGです。

誤植が多い！　そして世界設定などに謎の部分が多すぎる！　というのが最初の感触。
特にサンプルシナリオの段落構成（章概要がなぜか章の最後に来ていたり）や、妙ちきりんなセリフ回し（ボスの見栄きりの語尾に？が付いていたり）などは失笑ものではあります。

ただ戦闘バランスはイメージ以上に骨太で、90年代のシステムを思わせるものがあります。
よく言えばメカビルドや戦術を細かく楽しむことができますし、悪く言えば重い・ヒーローパワーで一発逆転という安易な方法が使いにくいという感じです。

世界がなぜこうなったかは設定で書かれているのですが、現在のウィザード（PC達バーチャル世界へのダイブ能力者）の社会における必要性などは記載されておらず（学園モノということで完結させるから不要ということかな？）、
そういったあたりも説得力を持たせるためにはGMサイドで決める必要があると思います。

自分自身は古い人間なので、学生ではなく大人の依頼型ミッションもの（サイバーパンク風の）としてシステムを流用するにはいいかなとは思っています。
そのためには、世界的にネットワークで全てエネルギーや食糧供給などがコントロールされているという裏付けを設定する必要がありますが。
（そうすれば社会的に攻防双方で電脳能力者が重宝される理由になるので）

戦闘システムは好きだったので☆３ということで。

個人的にとても好きな作品です。ファンタジーもので、主人公がかわいくて、わくわくしながら読みました。書店では、発売日に端っこのほうにちょこっとあって、認知度が低いのかなと思いましたが、これから人気が出てほしいですね。