挾土秀平の仕事の流儀は「臆病」であること。
何か問題が起きるんじゃないかと常に考えている。
しかし、その「臆病」があるからこそ生まれる作法があった。それは依頼主の要求に応えるのではなく「超える」事。そうして出来た作品は、誰も真似できない物になる。
私も臆病な性格だからよくわかる。馬なりじゃ何か言われそうで怖いから、文句つけようがない仕事をしようと考えるのだ。まして挾土の仕事は天然の土壁だ。自然状況の変化でどうなるかわからない不安がついて回る。
挾土は潮風の吹き付ける難しい依頼を受ける。
断る/逃げるも選択肢だ。けれど、臆病だからこそ、自分の弱さも見せたくない。だから、する。但し、引き受けた以上は全力で。
二度目の塗りもヒビが入り、施主がこの程度なら問題ないと言うのだが、それでも挟土は工期を伸ばし、持ち出ししてまでやり直しを決める。工期が遅れてるだけでも申し訳ないのにその必要があるのかと仲間が言う。
けれど、挾土は答える「施主に恨まれても後で喜ばれる方が大事だ」
一般には依頼主の要求に応えるのがプロだと言われる。
けれど、挾土は仕事の「質」を優先した。施主が今はいいと思っていても、後になって「やっぱダメだ」と思ったりすることがあるからだ。
臆病な人間だからこそ、そういうことを想像して仕事に当たれる。細心の注意を払い、長い年月を経てもそこにあり続ける土壁を造ろうとする。それは依頼主の求めていることではない。しかし、だからこそ、依頼主が求めていた以上の土壁になる。
挟土が土壁を使うきっかけとなった、百年経っても光り輝く黒漆喰の扉も、こうして作られたのかもしれない。
施主の要求さえ満たせばいいとして作られた表面は綺麗な欠陥住宅が多数ある中で、こういう、「どんなことよりも」仕事の質を優先する職人の姿勢は見習うべきものがあるはず。
ただ、番組としてそれをうまく表現できてないから☆4。
京都で代々続く左官職人が書かれた本です。土壁の歴史、技術、材料、職人の心構えや茶室についてなど、左官という仕事の全容を今こそ書き残しておかねばと、入念に書かれています。著者の佐藤ひろゆき氏は、左官技術の継承者であると同時に、京都工芸繊維大学伝統みらい研究センターの特任教授でもあり、「左官」として初の博士でもあります。 最近耐震性などが見直されている土壁は、身近な物のはずなのに、今は本物に接することも少なくなり、何と無知に過ごしてきたのかと、自分で呆れてしまいました。一般書としては詳しすぎる面もありますが、ひと世代前なら教養としてもこの程度の建築にまつわる知識を持っていたのではないかなと考えると、本格的な建築の現場を目にすることも少なくなってきた今、専門書の棚に収まっているだけではもったいないような本です。 インテリアなども含めて、少しでも建築に関わる人は一度は読んでおくべきでしょうし、そうでなくとも建築に関心のある人には、この本は伝統建築という魅力的な町を歩くガイドブックのような所もあると思います。 ※出版社の学芸出版社のサイトに詳しい紹介や書評があり、参考になります。
自宅に常備しておいて、掃除や水仕事をする時に使用しています。通常のハンドクリームと違い、保護膜を作って水を弾くので重宝しています。チューブタイプも以前使っていたので、そちらの購入も検討しましたが、使用頻度も考えこちらの大容量タイプを購入しました。自分が購入した時は、Amazonからの配送だったので少し安く購入できました。携帯用としては、類似商品の『モイスポリアホワイト 75g』というのを使用しています。
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