映画館で見逃して、前から気にはなっていた作品なので、今回購入してBlu−ray Discで鑑賞しました。興行的には大ヒットとまでは行かなかった様ですが、僕としては、結構面白い部類の作品だと感じました。
今現在でも、臓器の闇売買だとか、そういった類の事柄はマスコミで報道されていたりします。ローンに追われて、一家心中といった話も聞かない訳では有ません。そういう悲劇を防止する為に、政治が消費者金融規制等の法の網を作って、非道徳的で暴力的な経済活動を抑制してはいますが、今後、貧富の格差がより拡大し、政府が財政破綻でもして機能しなくなれば、強い立場の人間の欲望が、弱い立場の人間を食い散らかす事によって、より増大していくであろう事は、想像に難く有りません。
物質的にも精神的にも、より豊かであるべきハズの近未来の、その裏で蠢く闇の部分と捉えた場合、この作品の持つ世界観には、背筋が寒くなるものが有ります。
作品のテイストには、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』や、ポール・バーホーベン監督の『ロボコップ』、更には、ジョス・ウェドン監督の『セレニティー』等の影響を感じます。又、ラストシーンの展開には、押井守監督の『功殻機動隊』や、ギレルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』の思想も読み取れます。
作品の冒頭、ジュード・ロウ演じる主人公のレミーが、寝かしつけようとした息子に、こう問い掛けられます。
「どうして、ローマ人は棍棒で人(敵)を殺したの?」(目的・理由)
「それは、ローマ人が銃を持っていなかったからだよ」(方法)
息子の問いには、人を殺す事の無意味さ・理不尽さが含まれていますが、主人公はそれには全く気付かずに、その方法についてのみ返答をします。記憶に残った象徴的なシーンの一つです。
内臓をえぐり出すシーン等のスプラッター的要素も強いので、そういった意味では観る人を選ぶかもしれませんが、作品としての完成度は高いと思います。
この作品の為に鍛え上げたというジュード・ロウの肉体が、逞しかったです。
映像特典については、チョット物足りない感じもしました。もっと、スタッフ・出演者のインタビュー等も有ると良かったかな。
リーガエスパニョーラ3連覇を果たし、チャンピオンズリーグも制覇したグアルディオラが率いる現バルサチームのゲーム構成力について、徹底的に分析しているのが本書だ。
とりわけ、6章、7章の「バルサ式を読み解く」における今シーズンのバルサのゲーム分析では、如何にこのチームが確固たる戦い方をチームとして準備をして試合をしているのか、そしてその戦い方がどれだけロジカルなものの上に積み重ねられてきたものかという事実が事細かに論じられており、非常に読み応えがある分析に仕上がっている。
著者は「バルセロナのサッカーは非常に論理的で、数学的といえるかもしれない。」と本書冒頭で述べている。
本書を通して改めて感じたことは、バルサのサッカーは攻撃的で見るものを興奮させるサッカーであるというだけでなく、当然ながらそこにある緻密に積み重ねられた戦術とそれを遂行するために築かれてきたクラブとして育んできた確かな哲学に裏付けされたものだという事実である。
FCバルセロナという伝統あるクラブ史上においても、グアルディオラが指揮を執る現チームが最強ではないかと多くのファンに語られていることが頷ける内容となっている。
|