画像は綺麗で戦闘シーンも迫力満点。戦車も本物を使用していますが、第二次大戦での戦車は出て来ません。戦後の戦車です。 パットンがいなくなった後、まともに進撃できなくなったイタリア戦線の事を考えると、ノルマンディー上陸作戦とバルジの戦いにおけるパットンの重要性が良くわかります。 しかし、パットンが無茶苦茶な人間である事も間違いなく、パットンの友人であり、上司でもあり部下でもあった、ブラッドレーの友情と頭痛が追体験できます。 暴走しがちな使いにくい優秀な指揮官を、どうやってアメリカ軍は使いこなしたかという視点でも見れる良作です。 欠点は多いが最高の指揮官であるパットンの戦争を追体験したい人には最高の映画です。
1980年代以降、映像音楽の録音といえば、ジョン・ウィリアムズの指揮するボストン・ポップス・オーケストラとエリック・カンゼルの指揮するシンシナティ・ポップス・オーケストラによるものが、質的に突出したものとして存在してきた。
しかし、前者に関しては、オリジナル・サウンドトラックの演奏と比較すると、しばしば、演奏に生気を欠くことが多く、また、後者に関しては、近年になり、編曲に劣悪なものが増え、指揮者も精彩を欠くようになり、徐々にこのジャンル自体が魅力を失うようになった。
しかし、今世紀にはいり、日本フィルハーモニー交響楽団によってたてつづけに録音された6枚のCDは、上記の両横綱の録音と比較しても遜色のない、高水準の内容を誇るものである。
沼尻 竜典と竹本 泰蔵という有能な指揮者の的確な演出のもと、20世紀の古典ともいえるハリウッドの代表的な作曲家の傑作の数々が実に見事に奏でられている。
これらの演奏の特徴は、あえていえば、オリジナルの魅力を過剰な演出をくわえることなくありのままに表現していることにあるといえるだろう。
いずれの作品も、世界中に配給される映像作品の付随音楽として作曲されているために、もともと高度の娯楽性と表現性をそなえた作品である。
ここに収録された演奏は、それらの作品が堅実な職人性のうえに自然体に演奏されるだけで、視聴者に無上の歓びをあたえてくれることを明確に示していると思う。
いずれにしても、20世紀後半、正当な評価をあたえられることなく、ハリウッドの片隅において高水準の管弦楽曲を創造しつづけた数々の現代作曲家の労作をこうしてまとめて鑑賞してみると、あらためてそれらが実に良質な作品であることに驚嘆させられる。
そこには、紛れもなく、最高の職人性と大衆性が見事な結合を果たしているのである。
日本フィルハーモニー交響楽団による6枚のCDには、そうした身近なところに存在していた現代芸術のひとつの奇跡が封じ込められている。
映画音楽の巨匠、ジェリー、ゴールドスミス。
手がけた映画音楽は猿の惑星、エイリアン、ランボー、オーメン等々、とにかくハリウッド映画の音楽には欠かせなかった人物。
このアルバムは04年7月21日惜しくもなくなった75歳で亡くなった彼への追悼盤です。
オリジナルスコアを使用し、竹本泰蔵、現田茂夫、沼尻竜典など日本を代表する指揮者陣と日本フィルによる演奏で収録しています。
最新録音技術によりとても迫力のある音質なので、彼の音楽を聴くならこのアルバムがオススメです。
若干選曲に疑問があるので星ひとつ減らします。
冒頭。星条旗(凄く大きい画面いっぱい)を背景に登場したJ・C・スコット(この映画のために鼻を整形)扮するパットン将軍がいきなり「ユー・サナバビッチ」(おい、てめえら)と一発かますのが凄い。将軍なのにまるでNYのマフィア。脚本はまだ新人のコッポラで非常に優れている。スコットはオスカー(主演男優賞)を受賞したが拒否した。理由は忘れた。オスカーを蹴っ飛ばしたのはマーロン・ブランドも。みんな「光栄です」などありがたがるが大物は違う。パットンは好戦的なファシスト的な職業軍人で陸軍士官学校での成績は首席ではないが実戦的な戦略家。映画では戦争神経症で入院したGIを指揮棒で殴打して更迭されている。米軍は案外民主的?な軍隊。日本帝国軍はビンタ、リンチが常習。指揮棒で殴ったら褒められる。殺しても更迭などされない。これ面白い。腰に標準装備(将校)のコルト(自動拳銃)ではなくカウボーイの回転式コルト45(握りが象牙)をホルスターに入れている。これだけで「異常」な人物だと解る。パットンがどれだけ「異常」で好戦的ファシスト、ナチスよりもナチス的軍人かはDVDを見てのお楽しみ。 ユー・サナバビッチ!!1度いってみたい。パットンは戦争でなく交通事故であっけなく死亡、戦後は不要な人物で米軍が暗殺説もある。まあそれは疑問。平時には生きていては迷惑な人には違いない。ジ・エンド
ベトナム戦争の最中に、もともとはジョン・ウエイン主演の予定が(おそらく彼が主演では正義の戦争肯定が強くなるから)ジョージ・C・スコット主演に変更になり映画の趣向は戦争や戦時の英雄のむなしさをも訴える内容になっています。
スペイン軍の協力により、本物の戦車、火砲や大勢のエキストラ(スペイン兵)を使ったロケは迫力です。さすがに大部分の兵器は第二次大戦時のものではありませんが、He111爆撃機や20ミリ対空機関砲、88ミリ高射砲などドイツ軍の兵器で少しだけ映るものは、スペインが第二次大戦中にドイツから輸入したりライセンス生産し、1970年当時にスペイン軍がまだ保有していた装備の実物です。(He111は映画「空軍大戦略」(バトルオブブリテン)にも使われています。)
実際のパットン将軍は、実は繊細で補給や部下の損失を減らすことに心を砕いていたと言われます。また、彼の部下から、ブラッドレイ元帥の他、後の第8軍司令官ウォーカー中将(朝鮮戦争で事故死)、ベトナム派遣軍総司令官の後に陸軍参謀総長になり、M1戦車の名称になったエイブラムス大将などを輩出するなど、部下の才能開花の才もありました。
(余談ですが、パットン、ウォーカー、エイブラムス、パットンが若い士官の頃の上官であるパーシング将軍、いずれも戦後の米軍の戦車のニックネームになっています。ブラッドレイも装甲戦闘兵車のニックネームになっています。)
また、アイゼンハワーに大統領になる野心があるのを戦争中にいち早く見抜いたのもパットンです。
映画ではこれらの点には触れられず、戦場での熱血ぶりや粗野な言動に焦点が当たっていますが、実際の将軍のそういう面は多分に部下を鼓舞する将軍の演技であったと思われます。野戦病院でのビンタ事件も(映画では一人だが実際には二人)無断で戦場離脱した者と戦場離脱の常習者という軍法会議にかかり銃殺になっても不思議でない者を手袋でヘルメットの上からはたいたというもので彼がマスコミや政治家受けが良ければ問題になるような内容ではないものでした。
また、当時の米軍において、機甲戦やその戦術面では随一の将軍と米軍は勿論独軍にも目されていた存在であることや、第一次大戦で戦車大隊長として実戦に参加し負傷したこと(映画の中でブラッドレイに語る、唯一怖いと思ったときの話はこのときのは話が基と思われます)。近代6種のオリンピック選手でもありました。
映画の中で、英軍のアレクサンダー大将と親しげに話すシーンがありますが、実際にアレクサンダー大将は部下のモントゴメリーとの仲はあまり良くなく、不思議とパットンとはウマがあったようであることなどを予備知識として知っていると、より面白く映画を観ることができるでしょう。(モントゴメリーは自己顕示欲の強い性格から英軍の将軍達から嫌われていたようです(チャーチルには気に入られていたようです)。ロンメルが上官のケッセルリンク元帥やルントシュテット元帥とあわなかったのに似ています。)、
なお、字幕の明らかな誤訳は、カセリーヌ峠の戦闘をブラッドレイがパットンに説明する中で「ドイツ軍の戦車はディーゼルで・・・」とあるのは、実際には独軍のタイガー戦車のことで「ドイツ軍の戦車はティーゲル(タイガー(虎)のドイツ語風発音)で」とブラッドレイが言っています(第二次大戦中のドイツ製の戦車のエンジンはすべてガソリンエンジンでした)。
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