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やはりてろてろですね。あとニーナ。
 最初に聴いたとき、何故だかわかりませんが、涙がでそうでした。
 
 力強く、澄んだ歌声。
 
 自分にとって一生もののアルバムです。
 
 
   
こういう和風なタッチのシンガーソングライターはしばらくいなかったのではないか。このアルバムの中で最も優れた歌曲である「吉野桜」ではそれが最も色濃く出ている。全体的にピアノの弾き語りというシンプルな構成だが、彼女の力強いヴォーカルと愛称はとてもいい。「ふたつのプレゼント」や「明るいほうへ」等テンポも一辺倒でなく曲のバラエティも豊富だ。70~80年代のフォークを好むリスナーにも洋楽の特にシンガーソングライターファンにも十分にアピールできる作品。
 
 
   
とにかく、ピアノの音色のバリエーションを楽しんでほしい。突き放すようで 纏わりつくような 距離感の定まらない音が心地よい。
 その音に乗って聴こえてくる詩は
 溜め込んだ感情で出来た言葉が
 表面張力のグラスから一気に零れ落ちるかのような勢い。
 
 無骨で優しく 柔らかく研ぎ澄まされ 時に問いかけるような彼女のメッセージ
 頭に少し余白を作って お耳を傾けてみてください。
 
 
   
過去のアルバムを他に3枚持っていますが、今作のアルバム曲についてはライブに行って生の声を直接聴いた後で買いました。
タテタカコさんの曲は私には少し怖いと思える曲が何曲があるのですが、このアルバムの中では3曲目が個人的にとても好きです。前向きになれる、後押ししてくれる曲です。
 今後もこのアーティストさんは良い曲を作るだろう。今度出たらまた買って聴こう、そう思いました。
 
 
   
当たり前だが、五七五の“短歌”集ではない、短“歌詩”集。最初、読み間違えていました(笑)。
 矢野さんの詩(歌詞)それぞれから一部が抜粋され、テーマ(?)ごとにまとめて並べられている。
 個人的には、この“テーマ”が興味深い。なぜ、この曲とこの曲とが1つのジャンルなのだろう、などと考えてしまう。
 
 他に「お話」(創作短(掌)篇)、ライヴチラシからの抜粋(?)、ディスコグラフィ、年表を収録。
 
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 でも、ありきたり(同種の試みは既にたくさんある)だけど「全歌詞集」的なもののほうが、良かったんじゃないのかなあ。
 抜粋版というのは、作り手(エディター)のぎりぎりのセンスが、より問われるわけで。
 この本は、そういう意味では、ちょっとどうなんでしょうか…。
 
 
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