定義の意味を勘違いして購入したので、期待していた内容と異なるので、全部読んでいない。
知的障害者の恋愛や性や犯罪や差別といった、
避けて通ってしかるべきなテーマを映画化したのは凄い。
その勇気は凄いが、その伊丹監督の勇気以外に見るものはない。
数々の名作ばかりの伊丹作品の中では、駄作だと思う。
本作にはいろいろと説明不足に思える人物やシーンがあるのだが、
特に、ラスト近くで比重が大きく割かれている、
水泳のコーチの男の人間性がちゃんと描かれていないため、
見終わった後にもやもや感が残って仕方なかった。
監督にも手に余る映画だったのか、要所要所にエロや暴力などの
ショッキングなパートを盛り込んで、どうにか観客を繋ぎ止めようとしているが、
佐伯日菜子の白いパンツを長々と見せたりだとか、いらんだろ!
原作を読んではいないので何とも言えないところだが、消化不良感が凄い。
また、本作で知的障害者を演じた渡部篤郎さんは、
公開当時たいへん評価されたということらしいですが、
どのあたりが良かったのか、まったくもってわからない。
個人的には、健常者からみた(差別的な)知的障害者像であると感じた次第。
知的障害者の施設に滞在して一月ぐらい人間観察をしていたならば、
ああいう紋切り型の演技はできなかったのではないか、とも思う。
健常者が知的障害者を演ずることの難しさがわかる作品ではある。
ユダヤ人の収容所に送られた少年を描いたものなんですが、その悲惨さや過酷さが本当のテーマではなく、別のところに主題を置いた映画でした。 それは、推理小説で思いもかけない真犯人を見つけたようなものなので、ご紹介しない方が良いでしょう。ラスト近くなってからの少年の言葉が理解出来ずとまどいます。でも最後の一言でわかりました。もういちど見返してみると全編にわたってそのテーマが描かれていることもわかります。 このテーマがわからない人も多いと思います。それはすばらい人生を送ってきた良いことでもあり、残念なことでもあります。
大昔、初めて読んだときの印象は忘れてしまったが、今回読み直してみてエネルギーに溢れた作品だと思った。 絶望的な状況で逃避してしまい、自分の立場を悪くしてしまう主人公。しかも読んでいる自分でも解決策が浮かばない。ますます悪化していく状況に主人公はどう立ち向かうのか、そもそも立ち向かうことができるのか否か・・・。 新潮文庫版の作者によるあとがきでは作品の終わり方を巡る意見に対して反論が書かれている。自己弁護する内容なのだが、これがまた読み応えがある。たしかに両者の言い分はそれぞれ一理ある。本編読後の大きな楽しみだ。
彼の作品を読んだのは、これが初めてです。文章が上手で、ストーリーもしっかりしているので苦もなく読み進めていくことができました。
どの短編にも共通して、表面的には難しい思想を取り入れていないようで、しかし内には深いメッセージが隠されていると感じました。それをあんなにサラッと読者に読ませてしまうとは、敬服します。
文学初心者でも読める大江氏の傑作短編集です。
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