とても好きです。三人の暮らす大学生活。今の時代にわたしが読むとやや現実と離れているかもですがそんなのどうでもいい。 こういう夢あり恋ありのマンガはいつ読んでもいい。変に非現実ではない、ささやかなお話。 気がつくと心に染み渡る、フランス窓のお話。現実逃避のマンガではなく、マンガの中にやさしいリアルがある。 それは夢ものがたりかもしれないけど、こういう素敵なお話は別に夢でもかまわない。ぜひあなたも。
なかなか探せずにいた1冊です。手元に来たときはとても感動しました。
この文庫には主に80年代のマンガが収まっています。どれも繊細で、どこか危ういかもしれない素晴らしいマンガ。田渕先生はマンガ家というよりも詩人なのでは。
いわゆる乙女ちっくマンガ。ですがその枠でしか語られないわけじゃない。確かに私みたいにオトコで田渕さんのマンガを読むのは少ないかもしれませんが、内容はどのマンガも非常に詩的。
かつ、現代的だと思います。80年代の作品ですが、ちゃんとその時代の絵になっています。2012年の今でも読めます。
なおこの文庫の解説は田渕さんご自身です。
マラソンビギナーのための入門書。著者をみてひょっとして?と思ったらビンゴ!。漫画家の田淵由美子さんです。おん年53歳。ホノルルマラソンに挑戦されたそうです。あの「フランス窓便り」の田淵由美子さんが、ふりふり脱ぎ棄てマラソンとは?!走るの大の苦手の私ですが、漫画として楽しく読みました。
以下の文は敬称略で。
田渕由美子は、70年代後半、りぼんを中心とする「乙女ちっく」少女マンガの黄金期の立役者。と言っても、その当時のマンガは「フランス窓便り」くらいしか知らないんですが。それから20年あまりの時を経て、すっかりベテランになった彼女の短編集がコレです。個人的には、ここに収録されてる作品の方が、ずっと好きです。
陸奥A子にしてもそうなんですけど、主人公は、作者と同年代で、描かれてることは、身の回りのディテールだったりするところは当時と一緒。でも、やっぱり色々な経験を経て、苦い思いなんかもしながら大人になっていったかつての乙女達。それでも、彼女達にはやっぱりどこかにかつての「夢見る少女」の部分がのぞいてる。それを描くのがやっぱりすごーくウマくて、僕のようなオッサンが読んでもやっぱりジーンと来てしまう作品ばかり。
中でも、不倫を清算するために一流企業を去ったヒロインと大学生のゆきずりの恋愛を描いた「ジョンとメリー」がお気に入りです。大学生の恋人の設定とかがね、いいですね。カワイイけど、ワガママで利己主義的なこういう若い女の子、いそうだもんなあ。
あんまり本屋で見かけないですけど、田渕由美子を知らなくても、少女マンガが好きならハズれなしの作品集です。
|