中野ブロードウェーに立て篭もり、コスプレあるいは下半身丸出しの姿で女ンビ(じょんび)と戦う童貞・処女たちを描いたゾンビ・ホラー・コメディの傑作です。 映画「ショーン・オブ・ザ・デッド」の路線で、英国人のダメ人間がパブに篭城するなら、日本のボンクラは中野ブロードウェーだ!と言う余りにも短絡的な企画を綿密な取材と溢れるホラー映画愛に塗してコミック化した、日本でしか成し得ない作品です。
・超肉食(好物は男性生殖器)でレズビアン、妖艶敏捷な知能を残した女ンビ(♀) ・彼らの被害者がなる通常の頭を破壊されない限り動きを止めない低知能のゾンビ(♂)。 ・健常人の生き残り(主に引き篭もり、ニート、童貞、処女と言った外界や他人との接触が少ない者) 以上の3つの勢力の内、一番ひ弱で滅びそうな健常人(と果たして言えるのかと不安が残る) を主人公としています。 元々コミュニケーション能力や体力に問題が有るメンバーに人類の未来が掛かっている様子は相当ブラックなのですが、すぎむら氏の特徴である弱者・愚者(とホラー映画)に向けるユーモアと愛に溢れたペンによってスリリングながら非常に面白い作品となっております。 この巻では怪異で大量発生した女ンビ、ゾンビの原因・特徴が徐々に解明され、後半都条例的にかなり際どい少女ンビが現れる等、実に興味を逸らしません。
オマケは作者すぎむら氏と中野ブロードウェー研究科仲村瞳氏の対談型ルポ4頁、オマケ漫画2頁、すぎむら氏の作品歴を映画予告編風に編集した3頁が掲載。 帯には同じくゾンビ漫画の傑作「アイ・アム・ア・ヒーロー」の花沢健吾氏による「いい話」付きの推薦文が掲載されています。 コメディタッチのゾンビ物がお好きでちょっと際どいエロティシズムに拒否感が無い方には大いにお薦めです。 季刊誌「NEMESIS」掲載で連載間隔の長さが珠に瑕です。
個人的に小林君が一番気に入りました。 あと、私、すぎむらさんの絵、好きです。
ひたすら単語が並んでる。 これで単語覚えようなんて思わないほうがいいです。 確認用かな。
この巻で漫画は終わってしまうのですが、 すぎむら先生の漫画の中では、東京プーの次に終わり方が気に入ってます。 なんか突然ブチっときれるような、それでいてきれいな余韻が残るのがとてもよかった。 プーのときの、新人(?)漫画家に任せられた大団円と、 今回の、打ち切りに合わせて取ってつけたような、にしては練りこまれた感のある、 老練さを感じる終わり方では、意味合い大違いなのでしょうが…
省略することで効果的な演出になる、みたいなことを誰かラジオで言ってましたが、 まあ、こういうことかなと思いました。
先生のほかの作品の、「ディアスポリス」や「スタァ学園」みたいな長編も面白いのですが、 本作、プー、ホテカル、クロ5みたいな、5巻程度で終わる中編の方が、自分は好きですね。 終わる巻き数は先生が決められるわけではないので、しんどいですけどね。
レビューのタイトルの件ですが、 妄想するに、先生はたぶん、自らの多感な時期に感じた映像業界への憧憬の原体験として、 みやす先生のタイトルを冠してオマージュしたのかなあ、とちょっと考えてしまいました。 今Wikipediaで見比べたのですが、先生の最初の連載とみやす先生の冒険が大体同時期なので、 先生は漫画で食えているので、まあそんな訳ないのですが。
個人的所感ですみません。 先生の次回作が、単行本にまとまった形で、早く読みたいです。
この時点で、すでにガイリッチーを超えている。
|