平原綾香の2ndアルバム『The Voice』を愛聴しています。
彼女の低い声がたまりません。最近の歌手の多くが高音に特徴があるのとは対照的に、心の奥底に響くような「低音」と少しハスキーがかった声質が聴く者に「癒し」をもたらしてくれるのでしょうね。
このCDに収録されてある6曲目の「Smile」が大好きです。
平原綾香の詩がいいですね。
♪やさしい心でいれば 君はずっとSmile♪というくだりは、本当に心に迫ってくる歌詞だと思います。勿論、服部隆之が作曲し編曲した3拍子のメロディとハーモニーも雰囲気がよく、懐かしさを感じさせますので、愛聴している理由ですが。
彼女の歌い方の特徴は、息継ぎ(ブレス)にあると思っています。歌詞を大切にし、そして、気持ちを込めて歌った後のブレスがとても深く、聴いているほうもその瞬間同じように息継ぎをし、ホッとするのでしょう。
歌い手と聞き手の気持ちが一致する瞬間ですね。
7曲目の「歌う風」にでてくる、♪そうlapalilenla・・・♪と繰り返す部分がとても明るく、軽快で好きな箇所です。悩みがあっても、この曲を聴いていると知らず知らずに心が晴れて行くのがよく分かります。
シングルカットされた「君といる時間の中で」の中の♪「叶わぬ夢などないんだ」と♪ という歌いきる強さにまたまた惹かれましたね。
作詞者「平原綾香」という魅力も再確認させていただいたアルバムです。
内面の充実がなければ、このような心情を表わすのはなかなか難しいですので・・・・。
その音楽性と相俟って素晴らしい可能性の持ち主だと思いました。
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現代の名ばかりユダヤ教徒の作者が聖書の戒律を全て正確に守る生活を現代出来るのかどうかチャレンジした様子を日記形式で描いた本です。
作者は本作前に百科事典をAから順に覚えて行く様な企画も実行してたらしいですが、確かに大変な苦行だとは思いますが、凡人でも「やろうと思えば出来る。でもやらない。」レベルのネタに終ってしまっているのが残念です。
これがblogで毎日少しずつ更新された物を読むのならば別の楽しみとなったでしょうが、こうしてまとめた形で読まされると作者の苦行程ではありませんが結構苦痛でした。
ただ、聖書をしっかりと読んだ事のない異教徒としてはトリビアルな形とは言え、聖書の中の色々な教えを知る事が出来て結構勉強になりました。
この作品はベルギーに慰問に訪れた天才指揮者(チャールトン・ヘストン)と、彼とその楽団を捕虜にしたドイツ軍将軍(マクシミリアン・シェル)との対立が主軸で描かれる骨太な戦争ドラマだが、立場の異なる二人のリーダーの苦闘に注目すると、違った意味で面白い。
将軍は指揮者のことを知っていて、基地である古城で演奏会を開くように強要する。が一方で、ドイツ軍は捕虜を処刑する命も受けており、演奏を行えば、自分を含め楽団員全員が射殺されることを指揮者は察知する。そこで彼は断固として演奏を断り続けるのだが、楽団員のなかには彼の真意を理解しない者もいるため、リーダーとして数々の苦しい選択を強いられる。将軍のほうも、天才指揮者を殺してしまうのが惜しく、個人的感情から銃殺を止めさせる。そのため、一部の部下からリーダーとしての資質に疑いを持たれ、苦しい立場に追い込まれる。
最終的には、指揮者は楽団員を救うために命を張り、将軍は無能な部下に自ら対処することで、リーダーとしての立場をまっとうする。二人のリーダーから見えてくるのは、目の前の困難から逃げることなく、必要なら自らリスクを取り、ブレることなくチームを統率してゆく姿である。リーダー不在の時代だからこそ、一見の価値がある作品だと思う。
もちろん娯楽映画でもあるので、楽団にまぎれこんだ米兵の脱出劇や、クライマックスの銃撃戦などの見せ場もある。豪快なヒーローを演じることが多いヘストンが、ことごとく希望を断たれて追い詰められてゆく様は、彼の他の主演作ではちょっと観れない姿だろう。
喜ばしいのは、ヘストン=納谷悟朗のテレビの吹替版が収録された点。ヘストン作品の多くを納谷悟朗が吹き替えてきたにもかかわらず、その吹替が収録されているDVDやブルーレイは、そんなに多くはない。『十戒』も『ベン・ハー』も、ソフトに収録されているのは別の声優によるヘストンだ。キングレコードさん、他のヘストン主演作も納谷悟朗の吹替収録で、ぜひ発売をご検討ください。
壮大な大地(=地球)の息吹を感じさせるかなり奥の深い超大作ではないでしょうか。平原綾香さんにしか歌えない最高の楽曲だと思います。 彼女が得意とする低音域がゆったりと大地を踏みしめるように進行し最後に最高の感動の嵐となって聴く者を間違いなく虜にさせます。 「Jupiter」以来となる吉元由美さん作詞のこの詩は、'04年を締めくくり'05年に向けた2年越しの超ヒット作となるでしょう。しばらくこの曲との格闘が続きそうです。
江戸時代のキリシタン弾圧さなか、日本に上陸したポルトガル司祭の波乱に満ちた人生。
読者によって読み方が異なる本、聖書など読み、キリスト教について多少知っている人には
読みやすい(聖書の言葉や登場人物が度々引用)。
まず、文章表現が繊細で生々しく、まるで映画を観ているかのように一気に読める。
隠れキリシタンである貧しい農民たちの汗や干した魚、藁の臭いまでもが漂ってきそうな
作品。頻出する拷問場面は筆者がまるでその場に立ち会ったかのような強烈な印象。
「信仰」を守り広めるためにポルトガル司祭は命がけで潜伏するが、「信仰」を守る
ために殉教する信徒の姿を見るうちに疑問が生まれる。
「このような酷い状況のなかで、神はなぜ、沈黙しているのか?」
やがて捕らえられた司祭は拷問を受ける農民たちの苦悶の声を聞く。
「司祭であるおまえが信仰を捨てれば、農民たちを助けてやる」と迫られる。
長年自分がキリストに捧げてきた全生涯(信仰)を否定し、ユダのように神を捨てるか、
それとも農民の命を救うか。
キリストの存在を心から信じ愛してきた司祭は、踏み絵を前に「一番つらい愛の行為」
をする。
「信仰」という表面上の名の下に、ひとの命を捨てるか、
「信仰」という表面上の名と「司祭」のプライドを捨て、ひとの命を守り、
心の中で神を深く愛し続けるか。
宗教的には「信仰とはなんなのか?」という問いかけを与えるが、一般的な読み方を
すれば、「ほんとうに大切なものはなんなのか?」という問いかけに変換されるだろう。
自分の面子を守り、自分を中心に据えて、誰かを蹴落とすか。
それとも、自分が退いても誰かを守り、心の中を凛と保っているか。
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