包み込むような歌声は、広い草原や海を想像させます。生命力あふれる力強い歌声、けれどけしてその力強さは何かに対抗するものではなく、包み込む優しい強さなのです。 なのに、なぜか聞いてると、繊細で痛々しいぐらいせつない気持ちにもなってくるのが不思議です。 声の包容力と歌詞のせつなさのバランスが絶妙ですね。
書の作品を書くときの資料に購入。手軽で良い。本屋に行って探す手間も省け良かった。
蘇我と物部の神仏紛争が終わり、ひとまずの平和がみえた。がそれも束の間、蘇我馬子と祟峻天皇の間に広がっていく溝、実直な護衛に下された命は天皇暗殺だった。この「石も歩けば政争にあたる」時代に最高権力者の護衛頭であった東漢駒が主人公です。渡来系という大和に地盤をもたない弱さを抱え、「便利なよそ者」という地位に甘んずる他ない。優しさを胸に秘めながらも精一杯生きる等身大の東漢駒ははじめてみたような気がします。描写も目裏に浮かぶような、美しい筆致で思わずひきこまれました。読後感に爽やかさと少しの哀しみを求める方おすすめです。
書の作品を書く為、資料として購入。本当に手軽で重宝しています。
吉田二本立て…
と言っても王様と神官シリーズの外伝はほんっとに短いです。
タイトルは「渇望〜少年の日のらごうとさしゃ」
幼い二人、王様が神官に戦士を諦めさせ神殿へ送る苦渋の選択のまさにその只中にある頃のお話。
王様の一人称。はー切ないとかより、このころから愛が重くて息苦しい。
某BLの台詞にもありましたけど、らごうの愛は果てしなく大海の水が大地に襲いかかる津波のようなもの、
さしゃは大地、それもいわば乾いた砂漠だったから受け止められたんだなーって。
ま、割れ鍋に綴じ蓋とも言いますがw
巻頭の青色蜘蛛は秀逸。
イラストは金ひかるさん。
ちなみにこちらの主人公たちが裏表紙にも描かれてます。
大正〜昭和初期かな。
江戸川乱歩みたいな雰囲気。
謎めいた人形のような隻眼の美貌の青年と、彼に比べれば凡庸でどこにでもいそうな寡黙な好青年の危うい駆け引き。
学生時代に秘めた想いを抱いていた隻眼の彼に思いがけず再会し、心の闇を暴かれていく。
短い、なんてことない話なのに、エロスだだ漏れ。
直接的な描写は…あるともないともいえる。
展示中の蝋でできた男の尻に欲情、指だけで飽き足らず男/根挿入して、
抜いた後の『白い涙』に煽られて、タンク空になるまでやりまくったそうですよ…
京極夏彦の名前を出したらクレーム来るか?
でもそれくらい、目眩がするくらい、世界がゆがんで見えた。
青白く薄い肌の下に潜む蜘蛛よ。
二人のこのあとが読みたい…
ほかにノベル→水壬楓子、綺月陣、栗城偲、鳩村衣杏、森本あき、可南さらさ、
コミック→千葉リョウコ、黒木えぬこ
・・・どれも可もなく不可もなくという感じ。手堅いです。
綺月さんは龍と竜シリーズの最新作「〜逆鱗〜」。次郎×楓太で、お決まりの隠し子騒動。
まあ、よくある話なんでコメントしようもなく。
可南さんは「セカンドラブ」お得意の切ない系のお話。
捨てられてセフレだったんだと思い込もうとするけど全部誤解で暑苦しいほどらぶらぶでした。
この作家さんの、こういう話に弱い自分がいるw
ちなみにガッシュ文庫創刊5周年記念小冊子が付いてました。
最近の文庫本の続編たち。
・沙野風結子『くるおしく君を想う』番外編「意外性の恋愛学」
・バーバラ片桐『極道の妻』番外編「極道の浮気調査」
暇な主婦向けの昼間の番組の「こんな傾向があれば浮気!」というコーナーのせいで始まる騒動。
相変わらずの超絶ばかっぷりがほほえましい。
傍目にも新妻にらぶらぶなのに浮気を疑われてしまう組長の情けなさにうっとり。
・小塚佳哉『キス&クライから愛をこめて』番外編「キス&クライから、さらなる愛をこめて」
クワドクワドのコンビはウケました。いやー楽しかった。現実のスケート界の趨勢からは逆行してるけど。
・火崎勇『信じてないからキスをして』番外編「信じてないけど恋をする」
・朝香りく「ろくでなしにルージュとくちづけ」
「鬼/畜弁護士×極道見習い、淫らな更生指南」という煽り文句。
なかなかお得かと。
まだアンソロ扱いとのこと、定期刊行化をお祈り致します。
まずは季刊から?
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