ピアニストにも得手、不得手がある。いい音楽に出会いたければまずその演奏者を知ることが大事だろう。ベロフはドビュッシーの作品を楽譜に忠実に、そしてとても楽しく聞かせてくれる。ミケランジェリがオーケストラのようなカラーを紡ぎだす演奏家で、聞き手に緊張感を要求する演奏家だとすれば、ベロフはピアノ曲としての楽しさ、まるでPOPSやイージーリスニングのようにリラックスして聞ける。決して、いい加減という意味ではなく、ドビュッシーの音楽とはその時代のPOPSだったということだろう。NHKで彼のレッスンを見たことがあるが、作品の作られた時代や、背景などの解説もいれながら教えていた。ドビュッシーの研究家としても一流だ。
衝撃的な表紙、センセーショナルなタイトル。何だか怪しい本だなと思う方も多いはず。でもその中身には、世界中で現在も本当に起こっている現実が書かれています。 著者は「名誉の殺人」によって、火に焼かれ、奇跡的にNPO団体に救出された女性です。「名誉の殺人」とは、女性が男性と不純な行為をして家族に恥をかかせた(もしくはその疑いをかけられた場合でも)とみなされた女性を、その家族の手で殺すというもの。手を下した者は、英雄と見なされ、法律にさえ保護されているこの慣習は、この本で取り上げられているヨルダンのみではなく、世界中で行われ、犠牲者は年間6千人。隠蔽されたり事故に見せかけたものなどをあわせるとその数は2倍にも3倍にもふくらむと言われています。生存者は稀であり、また長い間黙認されてきた文化的慣習であることから、この本に書かれている内容は、本当に貴重なものであると言えます。生存していることが分かれば、その家族は外国にまでも追っていって殺害を全うすると言われている中で、この本を出版する決意をした著者には感服します。 内容は、著者の記憶を頼りに幼いころから火に焼かれるまでの生活、救出された後のヨーロッパでの生活を時系列に淡々と述べられています。余分な装飾がされていないだけに、この信じられないようなことが現実であることを感じさせられます。 複雑な文化的または宗教的背景のある「名誉の殺人」に対して、私たちは何もできないかもしれませんが、まずこの事実が世界に存在していることを、できるだけたくさんの人が知ることが必要であると思います。「名誉の殺人」について「知らない」または「聞いたことはあるけど、どういうことかよく分からない」という人に、この本を読んで欲しいです。
邦題が示す通り、"蜂"化した女性たちが人を襲う、という単純なストーリーであり、 商品の説明の【INTRODUCTION】に"エロティック・SFサスペンス"とありますが、 内容的にはエロティック・SFスリラーと呼んだ方がしっくりくるかと思います。
日本ではまだまだ認知度が低いかもしれませんが、他のレビュアーの方が おっしゃる通り、当時乱発していた70'sセクスプロイテーション映画の1つであり、 海外のB級映画マニアの間では人気の高い作品。馬鹿馬鹿しいプロット、低予算 丸出しの特殊効果、「これぞSF映画!」と言わんばかりのいかにも取ってつけた ようなラストの挿入曲…等マニア心を思わずくすぐられる要素が多く、本来なら、 もっとB級映画ファンの方に愛されてもよろしいのでは、と思える内容です(笑)
ですが、実際観てみると、登場人物の名前がたくさん出てくるのに加え、ファースト ネームやラストネームと、出演者によって該当人物に対して呼び名が異なったりする ので、混乱してしまいがちです。
加えて、画質の悪さにより状況が掴みにくいシーンも多く、単純なストーリーの はずが自ずと難解さを増します。特に、中盤まで夜や暗闇のシーンが多く、色の 濃い服を着てたりすると暗影と重なり、状況を把握するのに音声を頼りにいちいち 想像を膨らませながら観賞しないといけない、という面倒な事態に陥りやすく、 不要なストレスが溜まりがちです。
せっかくのセクスプロイテーション映画なのに、酷い画質のおかげで気軽に観れる "見世物" として成り立っていないのが残念です。
何れにせよ、根気があるB級映画ファンの方にのみオススメします。
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