この絵本、けっこう文章も多いし、同時に「絵も読まなきゃ」いけないし、かなり読み応えのある絵本なのですが、なのに、読み手に全く退屈感を感じさせないあたりは、さすが巨匠の為せる技です。まず、一番に登場カラスのネーミングが、脇役も含めてことごとくおもしろい!それから、加古里子お得意の、「絵で語る」画風も面白い!(「探し物系の小ネタ」が一箇所や二箇所じゃなくて、各ページに満載されているのです)。そして、後半、どんどんストーリーがハチャメチャになっていく奇想天外なナンセンスっぷり、どさくさにまぎれて「武装警官の一連隊」などという「子供にはとても理解不能なもの」まで出現する飛躍っぷりも見事。なのに、最後はすっきりと、夢いっぱいのエンディングに落ち着くあたりも、もう、「グレイト!」としか言い様がないのです。でも、誰がなんと言おうと、この本の一番の見どころは、「パン」なのです!!そんなこんなで、どのパンが食べたいか、一体どんな味がするのか、「お子さんとたっぷり語り合う楽しさ」をあなたも是非、堪能してください!
名著「カラスヤサトシ」でカレー好きをちょいちょい公言していた作者が、 満を持して出したこの一冊! 「本格カレー」「レトルトカレー」「カレー屋」「スパイス」「歴史」……。 様々な角度から、笑いとウンチクを絶妙に混ぜ込んだエッセイは、 流石の一言に尽きます。 なにしろ作者と彼の担当は、 取材の時だけカレーを食べているわけではなく、 日常がカレー漬けのようなので(家族に『またカレー!?』と嫌がられても!)、 確かな『カレー愛』をエッセイからガッチリ感じます。 レトルトカレーを彷彿とさせる表紙のデザインを書店で見たとき、 思わずニヤリとほくそ笑んでしまいました。 本書を読みながら、かつて昭和ヒトケタ生まれの父が、 カレーに必ずソースをかけていたことを思い出しました。 人の数だけカレーへのこだわりがあり、「愛」がある……!! 「つまりゆるせないカレーなど本当はないのです!」 ……言い切ったカラスヤサトシにホレました!!
原作の雰囲気を最大限に生かし原作に迫った。
ところで、男と女の関係を描かないと映画ってダメなんですか。 監督ひとりよがりの長回しの情景描写は不要。
とにかく,可笑しいとしか言えない4コマ漫画.4コマ漫画でこんなに嵌ったのは,X(ペケ)以来かなあ…
基本的に,カラスヤサトシという貧乏漫画家本人の日常と周囲を題材にした自虐ネタなんだけれど,これがとにかく面白い.自虐ネタといえ芸人ヒロシが有名だけど(実際,ネタがかぶったことがあるらしい),ヒロシのネタよりも断然カラスヤサトシでしょう.
また,ただ普通に自虐をやっているだけではなくて,観察や洞察もすばらしく,着眼点の違いを感じさせるし,本人のやっている様々なひとり遊びのネタを見ても,この人は遊びの天才じゃないかと思ったりもする.
ほんと,このセンスいいです,ツボです.まずは裏表紙の作者の倹約術についての4コマを読んでみてください.本当に馬鹿すぎる.でも,実はこの方法,結構実用的にも思えて,今度,僕も試してみるつもりです.
カラスヤ先生の作品は初めて読みましたが 福光しげゆき先生や花沢健吾先生、古泉智浩先生、西村賢太先生、 そしてこの作品の巻末の対談で登場するライムスター宇多丸さんなどなど ボンクラ界のカリスマ的な人気を誇る方々と同様に 本当の底辺のボンクラの人たち(私もです)が、 “自分たちと同類の人”として捉えると どうしても違和感を感じると思います。
先にあげた先生方も 「なんだよ、金持ってんじゃねぇかよ」 「モテるじゃねぇか」 といった理由からバッシングを受けることがありますが 努力や才能、職業柄など、冷静になって考えれば 自分たちとは違うということが理解できるはずなんですよね。 (もちろん自分も嫉妬心みたいなものからか、 裏切られたと感じてしまう気持ちはわかります。) このことは巻末の対談でも触れていますので 対談のところまでを含めて読むことをおすすめいたします。
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