15. 日本語は亡びるか ―言語接触の視点から考える日本語の衰退―
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本格小説〈上〉 (新潮文庫)

久しぶりに長編小説らしい作品に出会えました.最近のムードだか感性だかを重視しているような歯ごたえの無い作品にうんざりしていたので、日本語の表現の豊かさを存分に駆使した文体に感じ入りました、それも少しも難しくなくて.嵐が丘を換骨奪胎した見事な構成と人物の書き分け.下巻とともに読み終わった後も、主人公の東太郎の孤独に引きずられたままです。



私小説―from left to right (ちくま文庫)

主人公は筆者そのもの、美苗である。
父は会社を辞めて、アメリカ永住を決意するが20年経った今、ボケが進んで施設に入っている。母は年下の男と出奔してシンガポールに住んでいる。
水苗は13歳の時にアメリカに来ているから今は30代前半か。ただ一人の姉、奈苗は離れて住んでいるが、孤独を紛らわすために長い電話をかけてくる。最初はこの長電話の会話で話が進行する。このあたりまでは、私はなんてつまらない本だと思っていた。
ところが、美苗の学校生活を通じてアメリカにおける日本人の地位と言う物が、次第に明らかになったいく。
白人の目から見れば、日本人なんて韓国人とも中国人ともとれる只の「東洋人」に過ぎない。白人と対等につきあっているつもりでも、黒人、ヒスパニックなどと同じに東洋人という枠に入れられた異人種にすぎない。
日常生活において、次々とその事実が明らかになっていく。
姉の奈苗が白人仲間とブラインドデートに誘われて,嬉々としていってみたら、醜い韓国人男性をあてがわれた悔しさ。デートから帰ってきてワンワン泣いた奈苗の悔しさは手に取るように分かる。
アメリカの日本人は日本人社会に住んでいるから日本人なのだ。白人社会に入り込もうとすると、目に見えない壁によって、被差別を認識させられる。
しかし、この孤独感は異国人だけのものではない。アメリカに住む白人でさえ、社会の不条理に対する孤独感にさいなまれている。本書はアメリカと言う社会に住む場合の孤独感をじわじわと見せ付けてくれる。



本格小説 上

読書好きな上司に進められて読みました。話が見えるまで苦労しましたが、後半は徹夜で一気読みでした。最後まで読んでまた最初に戻りたくなる本です。時代背景独特の我慢する日本人、差別、そして切ないほどの一途さにすっかり飲み込まれ、2~3日引きずってしまいました。こんなにどっぷり嵌った小説は久しぶりです。色んな人に読んで欲しいです。今でも思い出すだけで切なくなります。



本格小説〈下〉 (新潮文庫)

さあ下巻と言うわけで、読み始めると、かなり激しくトラップされてしまった。上流階級に入った異質物と周囲のそれに対する反応、歪んだ、しかし、ある意味純粋な愛の形、上流階級の没落、そして、下層出身者の大金持ちになっての帰還。名前に違わぬ「本格小説」というか、一昔前の小説の雰囲気を良く出している。

メインストーリーの部分の語り手の「冨美子」は、全体の狂言回しにもなっていて、話をスムーズに流している。それで居て、最後のチョットしたどんでん返しで、少々傍観的な位置から突然ストーリーの渦中になだれ込むことになる。本書のストーリーは3重に入れ子になっているのだが、一番外側の著者が一番内側の主人公とのつながりを語るし、一番内側の語り手が最後にストーリー自身の意味あいに大きな影響を与える事実が明らかにされるなど、きれいに作った仮想の階層構造に適当な揺らぎがある。この辺の構造も本書を面白くしている。

読んだ後、この話のどこからが虚構なのだろうと考え始めた。もちろん、小説なのだから、話が本当である必要はない。しかし、上巻の半分以上までは著者が私小説的に登場し、「東太郎」を登場させている。そして、著者の所を尋ねてきた「祐介」に、東太郎の子供時代を知る「冨美子」の話を語らせている。この構造が小説全体にリアリティーを与えている。そして、メインストーリーは明らかに彼女が最も好きな『嵐が丘』の強い影響を受けている。もし「東太郎」も「祐介」も全部フィクションだとするとどうだろう。それだけではリアリティーがなさ過ぎて、現代では小説として成立しえない物語を小説として成立させる道具立て全体を著者が構築したということになる。著者が小説家になったからにはどうしてもやりたかった『嵐が丘』を成立させるために。そう考えると、語り手が聞き手に語る動機がかなり薄弱に感じてくる。しかし、全体がフィクションだとしても、大変な構想力と筆力だと思う。

ま、小説なのだから、そんなことはどちらでも良いことで、久しぶりに「本格小説」を味わうことが出来たのは楽しい時間であった。大変お薦め。上巻読了時よりお薦め度アップ。



日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

達筆のレビューが出揃っているので内容紹介は省きます。筆致がドラマチックなのと雑学的楽しみがあり面白く拝読しましたが、ハテナ?と来る部分が多々ありました。
漱石が現代に生きていたら英語で書く文学者になっていたのではないかと。漱石はそもそも現代には生まれないのではないですか。それは別に日本語の衰退とは無関係に。ドイツがもはやゲーテを生まず、ロシアがもはやトルストイを生まず、ギリシアがもはやホメロスを生まないように(昔過ぎるか)、「文豪は何故に誕生するのか」という疑問は神秘の領域です。文学に限らずほぼ全ての領域で聳え立つような才能が出現しなくなっているというだけではないかという気もするのですが。
そして近い未来か遠い未来に日本の文学者が英語で読み書きをするようになる、というのも、モノが文学となると単に「達意の文章」を超えた文才や言語感性を要するのですから、そう簡単には行かないです。ああメンドくせぇと呟きながらも無理して英語で小説を書く日本人作家が出現するならそれはそれでガンバッテ下さい、と言うしかないですが、多分、世界を相手に勝負しても売れないでしょう。
加えて、「それで読み書き出来れば得する言語」として英語の力が増していくのは間違いないにしても、「人類の叡智を集積する言語」が英語だけになるなんて、それは「叡智」に対して失礼ではないですか。単なるインテリ言語は叡智の言語とイコールではない。インテリがイコール叡智の人ではない。叡智ある人が駆使すればそれは叡智の言語というだけでしょう。何語だろうと。土着語だろうと。そして「インテリ言語としての英語」と接触を持てないことは、損得勘定で見れば「損」でしょうけれど、ヒトとしてそんなに凄まじい「喪失」なのかしら。
最後に、日本語の真髄を担っているのは作家ではなく詩人たちかもしれません。英語の時代だからといって日本の詩人が英語詩を書くようになると思いますか。私は思いませんが。本書、歌人や俳人の方々が読んだらば笑止千万かもしれない。



15. 日本語は亡びるか ―言語接触の視点から考える日本語の衰退―


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