主人公の女子大生が、唯一の血縁関係である祖母を亡くしてしまうところから話は始まります。
彼女は、身寄りを完全に失い、孤独や倦怠感に悩まされながら生きることを考えます。
作品を一言で表現してしまえば、「恋愛小説」です。
しかし、ストーリーのベースには、常に【孤独とはどういうことか】が敷かれていて、
その展開は、一般に言うような恋する気持ちを追いかけるものではありません。
人間は、誰しも絶対的に孤独であるということを理解したときに、
恋愛というものがどう目に映るかを鮮やかに表現していると思います。
日本語の美しさと感じの事態のながれの美しさを堪能できました! とてもきれいな状態で満足です!
聖性と恐怖とエロス、そしてイニシエーション。これらはホラー小説の定番であるが、「高野聖」にはそれらが見事に揃っている。 深山の奥に住む謎の美女と若い僧のストーリーは、その設定の見事さにより、読者の好奇心を刺激する。怖いものみたさを喚起する。 いかにも怪しいシチュエーションは、「これは事件が起こる」と予感させ、それは性的な誘惑を伴うはずであると確信しながら、ページをめくる。 泉鏡花は傑出したストーリーテラーである。 読者は「この女は怪しい」と感じながら、一方で惹かれていくのである。 エンターテイメントとしての完成度は相当なものだと思う。 日本文学最高の幻想小説です。
マンガと英語で近代文学を覗いてみる本。
明治から昭和初期の12作品が紹介されています。各作品には18ページずつ割かれていて、その18ページが更にいくつかの小部屋に分かれているので、どこからでも読めます。まるであらかじめつまみ食いされる事を想定しているかのよう。気軽に読める本ですね。
マンガと日本語と英語で粗筋が紹介された後、『キャンベル先生のつぶやき』という部屋では原文と英訳文が示されます。日本文学の専門家であるキャンベル先生が、英訳に際して感じたことなども書かれていて、敷居の低い本書の端倪すべからざる一面が垣間見えます。
文学の紹介本としてはかなり異色の一冊かもしれませんが、読み易いです。
吉永さんの美しさ。 映像の美しさ。
全てに引き込まれ、映像に釘付けになりました。
【美の空間】に入り込み、一途な愛に命を懸けた女性の物語が50分間で見事に表現されています。
なんだか、忘れていた気持ちを呼び起こされたような感じでした。
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