ゼウスガーデンを築き上げた天才たちの一人に、真原合歓矢という建築/芸術家がいる。 この漢の建築は、しんしんと見る者の胸に染み入り、神々しさと癒しと調和に満ちている。 だが現世は・・・。と、傍観者が笑う。 やがて彼も傍観していられなくなる。 それもまた歴史のほんの1ページに過ぎない。 淡々と語られるくせに、たまらなく熱い小説である。 これほどグロテスクな生と死を描いた上で、何故こんなに読後感が清涼なのか。 それはもう、読んでもらうより他にない。
前作「俳句という遊び」の続編で 小生は 本編の方が前作より少し好きである。句会の楽しさもさながらであるが メンバー強化の結果、句の内容が更にグレードアップされていると思う。この本を読んでいると まことに日本語の持つ美しさ、玄妙さを強く感じ、日本人として感嘆に耐えない。17字という狭い空間に 宇宙を盛り込まなくはいけないという究極の制限こそが 本当に豊かな表現を作りだしている点に誇りを覚える。昨近の「汚い」日本語に辟易している小生として 万人必読とすら言いたい。
この本の程度は思ったより思ったより良かったと思っています。 しかし、本文の中に少し書き込みがありましたので(これは落札のときからわかっていました) この評価にいたしました。
短歌とは(文学とは、というべきなのかもしれないけれど)なんて戦闘的のものなのだろうと、思ってしまう。それでも、どこか優雅で楽しげのは、短歌で遊んでいるからなのか?春の熱海という場所のせいなのか?と思ってはしまうけれど…あえて理由を探そうとすれば、真剣に遊んでいるから、なのよね、やっぱり。
そこに存在しているはずの恐怖とは言いがたい文学的異世界への入口 小林的表現にやられたあなたでない方はいますぐどうぞ。 虜になること間違いなしの一冊。 中でも <流れる> はいつ読んでも唸ってしまう作品。
|