レコ初ライブの”予習”のために、高知のshopから早々に郵送してもらったのだが、最初の印象は正直、録音が粗野(=マイルドでなく)旋律にほとんど必然性を感じない類の”音”であった。 嗚呼とうとう彼女も向こう岸に行ってしまったのかな、才能の枯渇かな、と落胆してしまったのだが、
まったくの早計であった。繰り返し聴くにつれ、だんだん自分のものになってきて、これは今までの延長線上に昇華したものであることが理解できた。ライブに臨むにあたり”予習”した甲斐はあった。彼女のライブは後半に行くにつれ、声に魅力が増える。アンコールのお決まりの”ソリダスター”と”てろてろ”を朗々と歌う彼女の訴求力は確実に成長している。
こんなに感傷的で、心に響く曲は久しぶりです。 聴いていて本当に胸が痛くなりました。 曲はもちろんですが、歌詞が本当に素晴らしい。 特に「ニーナ」に関しては、その曲の映像が浮かび 強烈な衝撃を受けました。思わず涙がでそうになりました。 他のお気に入りはなんと言っても 「てろてろ」と「ゼンマイ仕掛け」でしょうか。 郷愁に溢れる前者と、情熱的な後者は、 雰囲気は全く異なる曲ですが、 やはりそこには強い感傷が存在します。 次の作品がリリースされる事を楽しみにしています。
一曲目の『明るい方へ』から高知のライブハウス『歌小屋の2階』で
ライブを見ている様な気分にさせられる。
歌小屋で録音されているという事実がわずかなノイズや雑音もその場の
臨場感として感じられるのだ。
圧巻は家族の崩壊から再生への物語を描いた『ふたつのプレゼント』で
ある。壮絶な歌詞でありながら、明るいメロディを聴いているうちに
自然に涙が溢れてくる。
これがメジャー契約最後のアルバムになるというのは本当に惜しい!
矢野絢子の4枚目のフルアルバム。 愛を歌った曲たち。 前作の『星ヲ抱ク者』は全体にとてもダークな感じで、歌詞も重いものが多かった。 それに対して今作はポップな仕上がりになっていると思う。 ピアノはもちろんだがオルガンなどが良い感じに曲を引き立たせている。 しかしポップといっても矢野絢子らしさを損なっていないと感じた。 愛の迷路は圧巻だった。
とにかく、ピアノの音色のバリエーションを楽しんでほしい。 突き放すようで 纏わりつくような 距離感の定まらない音が心地よい。 その音に乗って聴こえてくる詩は 溜め込んだ感情で出来た言葉が 表面張力のグラスから一気に零れ落ちるかのような勢い。
無骨で優しく 柔らかく研ぎ澄まされ 時に問いかけるような彼女のメッセージ 頭に少し余白を作って お耳を傾けてみてください。
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