どこかねじれたような文章、箍が外れたような登場人物、不自然な会話、などがたまらなく魅力的な作家です。 幻想味も強いのですが、しっかりミステリ。 少女が出てきて、作者自身の描いた絵がついている作品が、個人的には好きです。 〈後記〉 好きな作家なのでこの問題は残念でなりません。 誠意のある対応をして、復活されることを願っています。
硬い題名とは裏腹に、楽に読める。図像学という学問を扱っているが、くどすぎないので、当方のような美術に関心のない素人にもわかりやすい。この作者は程々ということを知っている。本格推理としても練れていて、エピローグの哀感もよく、デビュー作としては上の部類に入るのではないか。
年間100冊ほどフィクッションを読みますが一番面白かったのがこの本です。実はもう小説のレビューを書くのはよしていたのですがこの本はレビューが少なかったので書いてみました。 本格の持つ「いかがわしさ」が濃厚な作品です。主人公の思考は、とても中学生ではありえませんし、トリックも猛烈に胡散くさいものです。 それでも、というよりそれゆえ、去年もたくさんあった面白い本の中でも1番面白かったといえます。三津田や京極でまだ満足できない方にお勧めします。
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