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よくあるレース系の話じゃなく、基本日常と自転車のショートストーリー。
正直紹介されている自転車は、販売中止だったりマイナーすぎたり、そんじょそこらでは見かけないものがほとんどです。その辺りは、イマイチ親近感がわかない。
 話自体は、ほのぼのとした人間ドラマですので、安心して読めます。凝った設定のものがお好みならやめた方が無難です、非常にあっさりしています。
 なお、この「並木通りアオバ自転車店」を読んでおかないと「アオバ自転車店」がイマイチ面白くないです。本には読み切り話だからどこからでも楽しめますとありますが、騙されないよう。
 
 
 
   
作風がちょっと古いですが、自転車のネタだけで週刊連載をこなしてしまうという作者の自転車にかける愛と情熱には頭が下がる思いです。
また、単に自転車を楽しいものとして扱うのではなく、いかに正しく使うか、いかに自転車と付き合うかなど、自転車の教科書としても良いほどの良作であると思います。
 この巻では東北大震災や最近取りざたされてる「自転車は歩道を走るべきか、車道を走るべきか」など、社会問題も上手く、そして良心的に絡めてあります。
 別名、「ヤングキングの良心」などとも言われていますが、それだけの事が言われてもおかしくない作品です。
 ぜひ学校の図書館などにも置いて欲しいものです。
 
 
   
相変わらず安定した面白さです。
放置自転車に関わる条例の話、
 ちょっと変わった子供用自転車の話、
 なんだか今後準レギュラーになりそな女傑が出る話、
 「ネコ」の話、
 気ままにできるファミリーサイクリングの話、
 腕への衝撃緩衝のために一工夫する話、などなど。
 
 
 今回の表紙エピソードとして、作業用一輪車の話が出てきます。
 これって俗称ネコって言うそうです。
 でも一輪車って言っても2種類あって、
 「農作業とかで使う平べったいもの(表紙の)」
 「土木作業とかで使う底の深いもの」で。
 私は後者のみをネコと言うかと思ってました。
 何故って?伏せた形がより丸まった猫に近いから。
 農業の現場では聞いたことないんですよね…。
 
 それと、おまけの収録として哀愁ただよう幽霊譚の「みちづれ」が巻末にあります。
 こちらは読み切りのせいかいつもより絵がキレイです。
 
 
   
表紙の通り、柳×長岡カップルが遂に結婚します。
連載開始初期からのカップルなので、ようやくかと言う思いも強いです。
 …と言うかアオバ世界の時間の流れはどうなっているんだろう?
 各人バラバラに時が進んだようなエピソードは入るんですけどね。
 
 一番お気に入りのエピソードは第4話の「旅するバッグ」。
 ある女の子が形見分けに貰ったちょっと変わったバッグはランドナーのフロントバッグなのでした
 で始まる話。
 旧アオバでランドナーの入手に関わる一遍「消えない想い」では、
 ランドナーは殆ど絶滅危惧種であり、入手はなかなか難しいとのことでした。
 そちらではARAYA社がオーダーメイドでない量産品を唯一の様に作っていましたが、
 今回出てきたランドナーはDAVOS社製。
 価格も入門様ロードと同じ位ですし、時代が変わってランドナーって入手しやすくなったんでしょうかね。
 私の周りでは近い用途でGiantのグレートジャーニー位しか売ってるのは見たこと無いです。
 
 それと、いわゆるルック車の問題点を指摘する第2話「急がば回れ!」や
 40年前の防水仕様車であるサブマリーナが蘇る第1話「サブマリーナ浮上す!」もおススメの話。
 
 逆に微妙なのが第6話「乙女の野望」。
 声優ネタって以前やったのでマンネリ感がぬぐえない様な気がしました。
 まぁ、前のは女性声優の方でしたし、シチュエーションも違うんですけどね。
 
 
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