テレビドラマ放映に 合わせて登場の 安く取り扱いの楽な『コンビニコミック(ペーパーバック)版』です。
ドラマ版の二人(松山ケンイチ君と大後寿々花ちゃん)が表紙になってます。 通常版みたいにシールとか付いてないけど 一巻、二巻の同時収録ですので定価の550円なら読むには十分な内容に成ってます。
ドラマを観て『セクシーボイス アンド ロボ』のファンになった人や 原作を 知らない人向きの本です。
何にも所属しないニコは自由で年の割に達観していて、
でも世の中に、人間に希望を持っていて、
中学生らしからぬ部分のある、正真正銘の中学生。
その年齢から見る自由な世界には完全ノックアウトです。
黒田硫黄は、日常のなかのドラマを切り取るのが上手ですが、
これはちょっぴりファンタジー。
でも描かれる「人間」にはやっぱりちゃんとリアリティがあって
自分の日常にもこんなドラマがあるのではないかと思わせてくれる、
希望に満ちた作品です。
名台詞「世界で私だけ!」
人間に他の人よりちょっとだけ興味深々な中学生の、
使命に燃える姿。自分に大した事ができるわけではない―
でも、この瞬間自分にしかできない事があるんだ!と気付くニコ。
このシーンはもんのすごく熱いですよ。
仕事でもなんでも人間のとっかえって結構利くけれど、
瞬間瞬間には、自分にしかできない事があるんだと「はっ」と
させられました。
第一巻で才能の片鱗を見せたニコ。 第二巻で自らの才能から必然に自分の道を選び取ることになる。 一方ロボもその頼りなさから必然に相棒として物語に巻き込まれていく。 ようかんなどサブキャラの今後の絡みにも期待度大の秀作。
すいかは本当に不思議な作品です。
事件という事件はほとんど起こらないのですが、見終わった後に こんなにもうれしくあったかい気持ちになれる作品はありません。
どの役者の方もいい意味で目立ちすぎず、だけど存在感はあり。 すいかの世界がどこまでも広がっています。
また脚本が本当にすばらしく、いくつもの素敵な台詞(言葉)であふれています。
ふと、見落としてしまいそうな日常の些細な出来事を愛おしく、あたたかく丁寧に見つめている、 そんなやさしさがいっぱいに詰まっています。
個人的には『梅干のタネ』のくだりを描いた言葉が印象的です。
すいかを見ると誰かに言いたい、けど自分だけのヒミツにしておきたいなぁ。 なんて自分だけの宝物を見つけたそんな気持ちになります。
僕がこのドラマに夢中になった原因のひとつに、使用されるこれらの楽曲の素晴らしさにあったことは否めない。印象的な主旋律が時に激しく、時に優しく、また悲しく見事なまでにフィーチャーされている。それはあのルパン三世のテーマにも匹敵するほどだ。またMAXロボのテーマなど遊び心にも溢れ、セクロボらしさをアルバムとしても演出している。ドラマを見たことない人も、是非聴いて欲しい一枚だ。
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