86年にビデオ発売されるとともに購入し、繰り返し観た思い入れの深い作品です。 そして待ちに待ったDVD化、もちろん即購入。ビデオ版と比較すると画質も良好で、両端が切られた画面からワイド画面になったことに感無量でした。
作品については今さら言わずもがなですが、それにしても練り上げられた脚本、ダイナミックな演出、適役ぞろいのキャスト、スケール感のある音楽(ジョン・ウィリアムズ本当に最高、映画における音楽の重要さが窺い知れます)、どれもが素晴らしく何度観ても飽きることがありません。
オープニングからドキュメンタリータッチのざらついた映像に展開される物語は常に緊迫感をたたえ、爆弾テストの光線シーンやスーパーボールのスタジアムのモブシーン、空撮による対象から対象へ至るダイナミックかつ一発で空間を把握させる大移動ワンショットなんかは、それだけで映画的醍醐味に溢れ、ドミノを倒すがごときのサスペンスのつるべ打ちと、巨大な飛行船の醸し出す圧倒的かつ異様な物体感がさらにアドレナリンを増幅させるクライマックスにおいては、映画のお手本ともいうべき編集や演出により、まさに手に汗握る見せ場になっています。(今のCGに慣れきった感覚で観れば特撮シーン等、多少のチープさを感じるのは製作年度を考えたら当然のことであり、そこに突っ込むのはヒッチコック映画の落下シーンにはリアリティがないというのと同じぐらいあまり意味の無いことかと思います) また、役者が本気で体を使ったシーンには『アクション映画』とは何かということを改めて再確認する次第です。
政治的な要因により日本では上映を見送られたいわくつきの作品ですが、観れば分かる通りこの映画は国家対国家というよりもむしろ個人対個人の物語です。
きわめて中立的な観点から各キャラクターとその背景をきっちり描いた、確固とした動機と信念に貫かれた各個人の闘いのドラマであり、そこには安易な大義名分やナショナリズムを掲げた、いわゆる『アメリカ万歳映画』的な正義や悪といった薄っぺらい概念は存在しません。
そこにこの映画の普遍性を感じます。
自分自身が子供のころ良く遊んでいたので自分の子供にもと思い購入したのですが 子供もとても気に入ってくれています。
最近の目まぐるしい展開のサスペンスアクションに比べたら確かに地味。しかし、名作は時間がたっても色あせないものです。
ストーリーはいたってシンプル。豪華客船に仕掛けられた爆弾をめぐっての攻防戦。しかしこの緊迫感は凄いです。とくに中盤以降の爆弾処理シーンの緊迫感は昨今の映画も打ち負かすくらいのものです。ファロン(往年の名優リチャード・ハリス)の愛弟子のチャーリーがねじを緩めるシーンで手を滑らしてしまうシーンは見ているこちらも飛び上がるくらいにびっくりしました。それくらい画面に引き込まれていました。後半はもうそういったシーンの連続。まさに目が離せない展開です。
最近の映画はストーリーにばかりこだわっていて、こういった見ているものを取り込むパワーはちょと欠けていますね。こういう作品を見ると、やっぱり映画って面白いなあと、改めて思います。
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